文系の大学でおすすめの学部は?就職に有利な学部、面白い学部は?

勉強ライフ

大学の文系で人気のおすすめ学部

大学の文系学部を選ぶにあたって、どの学部がおすすめかは2つのポイントがあります。

1つ目のポイントはその学部学科の授業や勉強の内容が面白いかという点です。

最低でも4年間は大学にいる以上、勉強していて面白い学部学科にいきたいですよね。

また、もう1つのポイントは、その学部が就職に有利かどうか(少なくとも不利ではないか)という点です。

関連した仕事がない(少ない)ため大学で勉強したことが活かしにくい学部はあまりおすすめできないといえます。

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大学の文系学部学科一覧

まずは大学のおもな文系学部や学科にはどのようなものがあるかをみてみましょう。

学部学科
法学部法学科、政治学科など
経済学部経済学科、経営学科など
文学部文学科、史学科、哲学科など
教育学部教育学科など
外国語学部英語学科、スペイン語学科など

ほかにも大学によって人文学部、政経学部、社会科学部、商学部などの形で複数の学部学科がまとめられていたり、一部が独立しているケースもあります。

それぞれの学部学科について特徴をみてみます。

法学部

法学部は法律や政治について学ぶ学部です。

法学科では憲法、民法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、会社法などを勉強します。

また、政治学科では、政治制度の国際比較や政治史などについて学びます。

弁護士や検事、裁判官といった法曹資格や司法書士、行政職の文系公務員を目指す場合は、法学部がおすすめです。

また、法学部の卒業生の中には、銀行などの民間企業に進む人も多くいます。

経済学部

次に、経済学部は、経済学や経営学、会計学などについて学ぶ学部です。

経済学科は、ミクロ経済学、マクロ経済学、国際経済学や行動経済学、マルクス経済学、経済史、財政学などを学ぶ学科で特定のゼミに所属することが多いです。

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また、商学部がない場合は、経済学科の中に会計学やファイナンス理論のゼミが入っていることもあります。

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経営学科は、存在しない大学もありますが、名前の通り経営学について学ぶ学科です。

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経済学部の学生の卒業後の進路は、銀行などの金融系の民間企業やメーカー、公認会計士や税理士などの資格職、行政職の文系公務員などになります。

文学部

文学部は文学科や史学科、哲学科などに別れています。

文学科の中には日本文学科、英文学科、ドイツ文学科、フランス文学科、中国文学科などがあります。

史学科の場合、日本史、東洋史、西洋史などの学科があります。

哲学科の場合は、西洋哲学、インド哲学、中国哲学などの学科が設けられています。

また、この他にも美学、美術史、地理学、心理学、社会学などの学科が文学部内にある大学もあります。

文学部の学生の卒業後の進路は、文系公務員やマスコミ、メーカーなどがあります。

教育学部

教育学部は教育学科などがある学部です。

教育学科では教育学のほか教育心理学や社会学なども学びます。

教員養成系の学部の場合、教員免許を取得できるのも教育学部の特徴です。

教育学部の学生が教員にならない場合の進路は、行政職の文系公務員やベネッセ(Benesse)や公文教育研究会など教育系の民間企業などになります。

ただし、これらの教員以外の進路を希望する場合でも、教育実習が必須の大学があるため、教員以外の進路を希望する場合、教育実習をこなしながら就職活動や公務員の勉強をしなければならなる点には注意が必要です。

外国語学部

外国語学部には、英語学科やスペイン語学科、フランス語学科、中国語学科などの学科があります。

また、ウルドゥー語やベンガル語、ラオス語などのマイナーな言語を学べる大学もあります。さらには、ヘブライ語やラテン語などの古い言語を学べる大学も存在します。

なお、外国語学部の中に日本語学科がある大学もあります。

外国語学部の場合、入試の時点で学科の選択をしなければいけない大学も多いです。

外国語学部の学生の卒業後の進路は、旅行代理店や外務省の職員など外国語能力を活かすことができる就職先などがあります。

その他の学部

この他にも大学によっては人間科学部、国際文化学部など特色のある学部があります。

また、最近は文系と理系の垣根が低くなってきており、文系科目に加えて環境学を学ぶ国際教養学部や公共政策などの分野で理系範囲である自然科学まで含んで研究する総合政策学部など文系と理系がミックスされたような学部も存在しています。

文系学部の中でおすすめの学部は

大学生活

では、これらの文系学部の中でおすすめの学部はどれでしょうか。

文学部、経済学部、法学部などでどっち(どちら)の学部を選んだらいいのでしょうか。

さきほど挙げた勉強の面白さと就職に有利かどうかという2つのポイントの点で考えてみます。

文系の中で就職で有利な学部

まず、就職に有利かどうかという点ですが、一般的な会社勤めのサラリーマンになるのであれば、法学部や経済学部が就職には有利だといわれています。

また、国際化やグローバル化の進展にともなって外国語のニーズはますます高まっています。

そのため、外国語学部もおすすめですが、語学はあくまでスキルですので、語学以外の素養も大学生の間に高めたいところです。

一方で、文学部や教育学部は一般的な民間企業向けの就職活動では相対的に不利だと考えられます。

(これはあくまで一般論です。個人の素養やコミュニケーション能力の有無の方が影響は大きいといえます。)

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就職で文系女子に有利な学部・文系男子に有利な学部

また、学部によって女子と男子の割合は違いがあります。文学部や教育学部、心理学部、保育学部などは女子の割合が多く、法学部や経済学部などは男子の割合が多い傾向にあります。

この学部における女子と男子の構成比は、そのまま就職先の女子と男子の構成比にも影響を与えます。

女子(男子)の割合が多い学部では、その学部の典型的な就職先も女子(男子)の割合が多くなると考えられるので、就職において女子(男子)に相対的に有利だといえます。

ですが、反対にその学部に女子(男子)の割合が少ないからといって就職に不利になるとも限りません。

特に最近は女性の社会進出を後押しするため、いままで女子の割合の少なかった業界での女子学生のニーズは高まっていますし、男女の境界をなくすというジェンダーフリーの考えが進むにつれて男子にとっても就職先の選択肢は増えつつあります。

ですので、単純に男女比で学部を選ぶ必要はないといえます。

文系の中で面白い学部

文学部や法学部、経済学部、外国語学部など文系大学の学部学科の中でどれが面白いかは、人それぞれです。

ですから、自分が興味を持てる分野に進むのが一番だといえます。

ただし、高校までの経験で自分の興味を限定するのはやめましょう

高校生が経験する学問領域だとどうしても国語、数学、理科、社会、英語の5教科(文系なら国語、社会、英語の3教科)の中にとどまってしまいます。

中学生や高校生として公民や政治経済で法律や政治学、経済学、経営学についても学びますが、英語や歴史に比べれば、ほとんど「さわり」の部分だけで終わってしまいます。

また、会計学、ファイナンス理論、社会学、心理学、論理学、考古学、文化人類学など普通科の高校ではほとんど勉強しない学問も多くあります。

社会経験としても、高校生が一番良く知っている身近な社会人は両親と学校の先生だと思います。

ですが、そういった身近な社会人だけを参考に両親と同じ道に進んだり、教職を目指したりするのは視野が狭いといわざるを得ません。

ですから、高校の間に積極的にオープンキャンパスに行ったり、いろいろな社会人の意見を聞いたりするなどして、視野を広げる必要があります。

広い視点で自分にあった学部学科を選ぶようにしましょう。

一方で、中には、どの学部の内容も面白いとは思わず、興味が持てないという人もいると思います。

そんな人には、就職に有利とされる法学部や経済学部に進学するのがおすすめです。

特に経済学部(商学部)の商学や会計系の学科は、簿記や会計など就職に直結する実学を学ぶことができますし、偏差値的にも同じ大学内のほかの学部と比べ入りやすいことが多いです。

また、商学系の学部だと、大学での試験などの勉強も比較的楽(ラク)だとされることが多いです。

目標とかはないけど、とりあえず大学に進むという場合は、上記のような就職に役立つ学部を選んでおきましょう。

楽な学部・大変な学部ランキング(文系)

楽な学部と大変な学部をランキング形式でまとめてみます。

文系学部の中で1番楽な学部(遊べる学部)とは

文系大学の学部の中で楽な学部、悪い言い方をすれば1番遊べる学部は何学部でしょうか。

楽な学部ランキング

  1. 商学部
  2. 法学部
  3. 経済学部

1位の商学部は簿記や会計学、経営学について学びますが、簿記の勉強さえできれば、卒業も就活も比較的楽に乗り切ることができます。

2位の法学部は司法試験を受ける人のための救済措置として卒論が免除になる大学が多いです。

そして、文系の中では就職に有利であるといえるので、比較的楽に過ごすことができます。

ただし、テストは記述式のテストが多いので試験勉強は頑張る必要があります。

3位の経済学部は法学部と同様就職に有利な学部です。

経済理論は微分などの数学を必要としますが、ゼミ(ゼミナール)によってはまったくいらないゼミもあります。

文系学部の中で1番大変な学部とは

文系大学の学部の中で大変な学部(遊べない学部)は何学部でしょうか。

こちらもランキング形式でみてみます。

大変な学部ランキング

  1. 教育学部
  2. 文学部
  3. 心理学部

1位の教育学部は何と言っても教育実習が必須であることが挙げられます。

公務員試験や資格試験などを受験する場合は、教育実習のために勉強を中断せざるをえない可能性があります。

また、先生になるのであれば就職自体は難しくありませんが、先生になってからは職場環境がブラックである可能性も比較的高いと言わざるを得ません。

一方で、先生にならないとすると教育実習自体が無駄になってしまいますし、民間の就活でも教育系の一部の就職先を除くと有利とはいえません。

2位の文学部は就活で苦労する学生が比較的多いです。

文学部は文学、歴史学、美学美術などさらに細かな専攻に分かれますが、どれも就職に直結するとはいえません。

卒業後は大学で学んだ内容とは全く異なる仕事に就く人がほとんどだと考えられます。

3位の心理学部は就職先の選択肢が少ない場合があります。

心理学の知識を活かそうとすると心理系の公務員か心理カウンセラーなどに職場が限定されることになります。

そのため、文学部と同様、心理とは関係ない仕事に就く場合もあります。

もちろん教育学部、文学部、心理学部で学ぶ内容は他の学部で学ぶ内容と同じくらい(場合によってはより)面白い内容であるといえます。

就職の有利不利だけで決めるものではありませんので、その学部で何をどのくらい学びたいかをきちんと見極めながら、卒業後の進路も考えに入れて学部選びを行ってください。

文系大学生と英語

英語

どの学部に進んでも文系大学生は社会人としてサラリーマンや公務員になる割合が理系よりも多いと思われます。

研究職になる人も含めて、現在のグローバル化した世の中では、どの分野の仕事に進むにしても、社会人として就職した後で英語力が求められる場面が増えています。

そういった意味では、外国語学部以外の学生でも英語は必要なスキルとして身につけておきたいです。

ですから、「英語ができないから○○学部」という選択はおすすめできません。

文系就職の勝ち組は

勝ち組

一昔前は、文系の頂点である東大文Ⅰの就職先は公務員の国家総合職(なかでも財務省)、司法試験(なかでも検事や裁判官)が人気で一般企業はそれよりも人気が低い状態でした。

一般企業の場合は、総合商社メガバンクなどが伝統的には人気の就職先でした。

最近はこれに投資銀行外資系コンサルティング会社ベンチャー企業(スタートアップ)などが増えているようです。

東大生は他の大学の大学生よりも進路の選択肢が多く就職先を比較的自由に選べるはすですので、東大生の選択する上記のような就職先がいわゆる「勝ち組」だといえると考えられます。

一方で、最近はバリバリ働く「バリキャリ」ではなく、ホワイトな職場でまったり働きたいという大学生も増えています。

そういうキャリア志向ではない人たちにとっては、公務員(キャリアではなく地方上級や国家一般職など)や電力会社、ガス会社などの「準公務員」的な会社が勝ち組の就職先だといえます。

文系資格のおすすめは

さきほどでてきた司法試験は大学で文系の学部で学ぶ内容が出題される文系資格です。

司法試験は法学部で学ぶ内容が範囲となりますが、それ以外の文系資格には以下のようなものがあります。

文系資格一覧

資格学部
司法試験法学部
司法書士試験法学部
行政書士試験法学部
宅建士試験法学部
公認会計士試験経済学部
税理士試験経済学部
不動産鑑定士試験経済学部
中小企業診断士試験経済学部
日商簿記検定試験経済学部
英検外国語学部など
TOEIC外国語学部など

コストパフォーマンスの点からみた文系資格のおすすめは、税理士と簿記になります。

税理士試験に合格するには2,500時間から5,000時間の勉強が必要だとされますが、独立も可能なおすすめの資格だといえます。

一方で、簿記検定は比較的短時間で取得することが可能な上、履歴書にもかけるため就職に役立つおすすめ資格です。

これらの資格を目指す場合は経済学部に進学するのがおすすめです。(特に税理士の場合、受験資格要件を満たすためにも経済学部か法学部に進学した方が良いです。)

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文系の大学院への進学について

学位

いくら大学の勉強が面白いとしても、大学院生として文系の大学院に進学するのは、将来的に大学教授などのアカデミックな進路を目指さないのであればおすすめできません

たとえば民間企業では、大学院生として修士課程を卒業しても、学部卒の学士と同じ扱いになる場合もあるようです。

一方で、公務員の場合は、修士で学んだ分も働いた年数にカウントされることが多く、それほど不利益はないといえます。

ですので、アカデミックを目指す場合は、大学院へ進学し、その分野でやっていくのが無理そうなら、修士のタイミングで見切りをつけ、だめだったら公務員になるというのがリスクヘッジの観点からして妥当ではないでしょうか。

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