経営学とは|会社に関する3つの学問との違い|経営学の出題がある6の資格試験

2019年10月5日ビジネス実務法務検定, 中小企業診断士, 会社法, 会計学, 公務員, 公認会計士, 勉強, 経営学, 経済学, 販売士

経営学とは何か 経営学の対象

経営学とは、会社の経営に関する学問です。

本当は経営学の守備範囲は、会社だけでなく、NPOなどの非営利組織や政府機関の運営についてもその対象としています。

ですが、大学の勉強や資格の試験では、会社の経営についてだけ学ぶことが多いです。

さて、経営学は、会社の経営について勉強する学問ですが、これをもう少し硬くいうと、経営学とは、最も効果的な会社の運営とは何かを考える学問だといえます。

この効果的な会社の運営というのは何かというと、「利益だけじゃないんだよ」ということです。

利益は利益で達成目標としては大事なんですが、利益だけではなくて、従業員のやる気(これを経営学ではモチベーションといいます)や企業の社会的責任などを含むものなんだということです。

経営学と経済学、会社法、会計学との違い

では、ここで他の会社についての学問と比較することで経営学の立ち位置を明確にしてみましょう。

経営学と経済学の違い

まずは経営学と経済学の違いについてです。

経済学は有限の資源をいかに効率よく利用するかを考える効率性を追求する学問です。

そのため、経済学における企業は、基本的に効率的な企業運営の結果である利益(利潤)の大きさだけを考えている点で経営学の想定する企業とは異なっています。

経済学において、企業のことを生産者といいますが、生産者は利益(利潤)を最大にするために、商品である財を生産します。

このように経済学では企業は利潤を最大にするために行動しています。

一方、経営学でも利益は利益で大事ですが、どちらかというとそれを達成するための手段の方である組織とか、リーダーシップとか、戦略に重点を置いています。

その点で、経営学は会社の経営について、現実に即してどちらかいうと(目的よりも手段の方を)広く浅く勉強するようなイメージになります。

ですから、経営と経済の違いは、企業の最終目標である利益(利潤)を重視して、そこに至る手段はどちらかというとあまり考えないのが経済学で利益よりも手段である戦略や組織を重視するのが経営学という位置づけになります。

経営学と会社法(法学)の違い

会社法は、会社について規定している法律であって、経営学のテキストなどでも一部でてきたりします。

そういった意味で、経営学と一部でかぶっているんですが、会社法というのは会社を取り巻く多くの利害関係者の中で、特に債権者の保護を目的にした法律です。

会社法、そしてもっと大きく法学という学問は、たとえばAさんとBさんという人たちがいたときに、両方の利益のバランスをとることを目的にしています。これを利益衡量といったり、公平性といったりします。

この公平性の追求が、法学の目的です。

そして、会社の場合、会社と債権者という2人の当事者では、その会社についての情報を当然会社の方が多く知っています。

一方、債権者は会社ほどは相手の会社のことを知りません。これを経済学的に情報の非対称性が存在するといいます。

このような情報の非対称性が存在する場合、情報を知らない(情報弱者である)債権者を保護することが、公平に役立つといえるため、会社法は債権者保護を目的としています。

これに対し、経営学は、会社と債権者だけでなく、株主や従業員、取引先、顧客や地位域住民など会社を取り巻く利害関係者全体の利益のバランスを考えます。これらの利害関係者の中で誰の利益を特に重視していくのかを考えることを経営学ではコーポレート・ガバナンスといいます。

経営学と会計学の違い

会計学とは、会社の成績表である決算書についての学問です。この決算書のことを会計学では財務諸表といいます。

この財務諸表で計算される利益をいかに正しく計算するかが会計学では重視されます。

これを利益の適正性とか、適正な期間損益計算といったりします。

これに対し、利益だけではなく効果的な会社の運営を行うために必要な組織戦略販売の方法などを考えていくのが経営学になります。

経営学の体系

経営学には、①企業形態論、②経営管理論、③経営組織論、④経営戦略論、⑤財務管理、⑥マーケティング、⑦マーチャンダイジング、⑧人事労務管理、⑨生産管理、⑩経営法務、⑪経営情報システムなどの分野があります。

これらを大きく分けると、①から④(企業形態論、経営管理論、経営組織論、経営戦略論)までがいわゆる総論で、⑤から⑪(財務管理、マーケティング、マーチャンダイジング、人事労務管理、生産管理、経営法務、経営情報システム)までが各論になります。

各論は、営業部や人事部、経理部といった会社の部門ごとに何をしているのかとか、何をすべきかを考える部分になります。

たとえば、営業部の話を考えるのがマーケティングになりますし、人事部だったら人事労務管理、経理部だったら財務管理というイメージになります。

経営学を学ぶ資格=中小企業診断士、販売士、ビジネス実務法務検定、経営学検定、公認会計士、公務員

経営学はMBA(経営学修士号)という形や学士レベルで大学でも学ばれていますが、資格試験においても多くの資格で出題されています。

ここでは、経営学を学ぶ資格として、中小企業診断士、販売士、ビジネス実務法務検定、経営学検定、公認会計士、公務員試験について紹介します。

経営学を学ぶ資格1:中小企業診断士試験

中小企業診断士という資格は、経営コンサルタントについての国家資格ですが、中小企業診断士の試験では経営学についての科目が多く出題されます。

中小企業診断士の試験(1次試験)では、ⅰ)企業経営理論、ⅱ)財務・会計、ⅲ)運営管理、ⅳ)経営情報システム、ⅴ)経済学・経済政策、ⅵ)経営法務、ⅶ)中小企業経営・中小企業政策という7科目が出題されます。

このうち、ⅰ)の企業経営理論では、経営組織論、経営戦略論、マーケティングを主に勉強します。

また、ⅱ)の財務・会計は財務管理に相当します。

そして、ⅲ)の運営管理は、マーチャンダイジングと生産管理にあたります。

次に、ⅳ)の経営情報システムは同じ名前の経営情報システムの内容を学びます。

一方、ⅴ)の経済学・経済政策はこれは経済学からの出題になりますので、これは経営学からの出題ではありません。

あと、ⅵ)の経営法務は、同じ名前の経営法務とあと企業形態論も内容的には会社法の話が多いため、経営法務として出題されます。

最後のⅶ)中小企業経営・中小企業政策は、中小企業庁の発行する「中小企業白書」の学習が中心になる科目ですので、少し経営学からは外れます。

経営学を学ぶ資格2:販売士試験

販売士は、小売店などの販売員に必要な知識を学ぶ資格です。

そのため、販売に必要な分野であるマーケティングマーチャンダイジングについて主に勉強します。

経営学を学ぶ資格3:ビジネス実務法務検定試験

ビジネス実務法務検定は略してビジ法ともよばれますが、経営法務を中心として学ぶ資格です。

経営学を学ぶ資格4:経営学検定試験

経営学検定試験は、マネジメント検定ともいい、経営に関する知識や能力が一定の水準に達していることを資格として認定する検定試験です。

経営学検定には、初級、中級、上級の3つのレベルがあり、それぞれ新人・若手、ミドルマネジメント、トップマネジメントに対応しています。

経営学を学ぶ資格5:公認会計士試験

公認会計士は上場企業などに対し独立の第三者として監査に当たる会計監査人になるために必要な資格です。

必須科目ではなく選択科目の1つとして経営学を選択できますが、事実上ほとんどの人が選択しています。

試験は択一ではなく、記述式の試験ですので、総論から、中でも経営組織論経営戦略論などからの出題が多くなります。

経営学を学ぶ資格6:公務員試験(国税専門官、財務専門官、国家一般職、地方上級(東京都庁)など)

公務員試験の試験種の一つである専門官試験国税専門官財務専門官)や国家一般職などで経営学が出題されます。

経営学は選択科目であり、主要科目ではありませんが、多くの人が選択しています。

公務員の経営学ではマーチャンダイジングはあまり出ません。代わりに、経営の歴史として経営史・経営事情などが出題されます。