財政学とは何を学ぶ学問か?財政学入門
財政学とは?財政学入門
財政学とは、わかりやすくいうと政府の入ってくるお金である収入や出ていくお金である支出についてのお話です。
つまり、政府による財貨の取得と支出が財政の定義になります。
具体的には、政府の予算や税金、国債などが財政学に関するテーマです。
財政学は公務員試験で出題されます。
公務員試験では主要科目である経済学(経済原論)に非常に近く、主要科目に準ずる科目として重要な科目だといえます。
財政学は何を学ぶ学問か?
財政学の体系として財政学は何を学ぶ学問かをみてみます。
財政学の体系は、
- 財政の機能
- 予算制度【一般会計の歳入(租税、公債制度)、一般会計の歳出、財政投融資】
- 地方財政
- 経済政策と格差の是正【公共財、租税の負担と転嫁、所得分配政策、経済安定化政策】
- 財政事情・財政史【財政赤字・財政改革、公債の負担、財政赤字・財政改革、財政史・経済史、各国の財政事情】
というように分類されます。
大雑把にいえば、財政学というのは国の話(財政の機能や予算)、地方の話(地方財政)、個別の話(政策や時事・歴史)という形に分かれるというのが、財政学の全体像におけるイメージになります。
財政の機能
まず、財政の機能は、財政の役割や学者ごとの考え方の違いに関するのお話です。
マスグレイブ、アダム・スミス、アドルフ・ワグナー、ブキャナン=ワグナー、ケインズなど財政学の論者ごとの主張の違いについて学習します。
その中で、マスグレイブは財政の機能として資源配分機能、所得再分配機能、経済安定化機能という3つの機能を主張してます。
ビルトインスタビライザーは経済の自動安定化装置といわれ財政の3機能のうちの経済安定化機能の例になります。
ビルトインスタビライザーには政策を実行するまでのタイムラグがないとされます。
また、経済学者として有名なケインズはマクロ経済学だけでなく財政学でも登場します。
ハーヴェイロードというのは、ケインズが住んでいたケンブリッジの通りの名前です。
ブキャナン=ワグナーはケインズの想定した前提(ハーヴェイロードの前提)が機能しないことを理由に均衡財政を主張します。
予算制度
ここからは国の財政についてのお話です。
予算制度は国のお金の計画である予算についての話になります。
予算には一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算があります。これらの予算はすべて国会の承認が必要です。
一般会計の歳入
お金の計画である予算には、国の入ってくるお金である収入と出ていくお金である支出があります。
入ってくるお金である収入の話が、一般会計の歳入とその内訳としての租税、公債です。
租税
税金(租税)の話には、租税についての原則である租税原則や直接税と間接税、累進税と逆進税、比例税などの税金の分類の話、所得税、法人税、消費税などの個別の税金の話について学習します。
公債
また、公債については、負担に関する租税との対比や日本の公債発行の歴史などを学習します。
一般会計の歳出
一方で、歳入の反対に、出ていくお金である支出についての話が一般会計の歳出です。
社会保障関係費や公共事業費、防衛関係費などのお話が歳出に関するお話です。
財政投融資
また、財政投融資というのは予算制度の中の特殊な制度のお話になります。
財政投融資は以前は規模が非常に大きく「第二の予算」といわれた時期もありましたが、現在は(コロナ禍での増加を除けば)減少しています。
地方財政
次に、国ではなく、地方の財政としての話が地方財政です。
地方財政にもお金の計画である予算の話と、歳入、歳出の話があります。
歳入では地方税、地方交付税交付金、地方債などについて学習します。
経済政策と格差の是正
ここからはテーマごとの個別の話になります。
経済政策と格差の是正というのは、最近話題になっている格差の是正などについてのお話です。
具体的には、公共財や租税の負担と転嫁、所得分配政策、経済安定化政策などがその内容になります。
財政事情・財政史
そして最後は、最近危ないとよくいわれている国の財政状態の話として、財政事情・財政史があります。
内容としては、財政赤字・財政改革、財政赤字・財政改革、財政史・経済史、各国の財政事情などになります。
財政史・経済史では戦前から戦後・現在までの財政に関する歴史について学習します。
これが基本的な財政学の範囲、つまり財政学で何を学ぶのかについての内容になります。