会計学

金融商品取引法会計の目的と対象|開示される財務諸表

金融商品取引法会計の対象となる大会社のイメージ

金融商品取引法会計の目的

金融商品取引法会計とは、外部に対する報告を目的とした制度会計の1つです。

制度会計というのは、金融商品取引法、会社法、法人税法などによって制度化されている会計のことです。

どうして複数の制度会計があるのかというと、制度の目的が違うからです。

そのため、それぞれの制度は目的に応じて別々の会計ルールが決められています。

その中で、金融商品取引法というのは、株や債券などの証券の売買を規制する法律になります。

金融商品取引法は、金商法と略されることもあります。

この金融商品取引法の目的は、投資家保護にあります。

ですから、投資家の役に立つ情報を提供するのが、金融商品取引法会計の目的になります。

金融商品取引法というのは昔は証券取引法といいました。昔の証券取引法が、改正されて金融商品取引法という名前になったわけです。

金融商品取引法会計の対象

金融商品取引法会計の対象となる大会社のイメージ

金融商品取引法会計の対象となるのは、投資家に対して情報を提供する必要のある株式を公開して証券取引所に上場している株式会社や一定の金額以上の有価証券を発行して募集する大会社です。

つまり、上場しているような大きい会社向けの会計が金融商品取引法会計だということになります。

金融商品取引法会計と財務諸表等規則

財務諸表等規則(ざいむしょひょうとうきそく)とは、金融商品取引法における会計に関するルールです。

金融商品取引法上作成が義務付けられている財務諸表の形式や記載方法を定める規則、つまり、金融商品取引法における会計のルールが財務諸表等規則になります。

金融商品取引法会計において開示される財務諸表

金融商品取引法会計において開示される財務諸表は、財務諸表等規則に規定されています。

この財務諸表等規則における財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書、附属明細表の5つです。

これは日本の企業会計の基準である企業会計原則における財務諸表とは少し異なっています。

これらの財務諸表について簡単に確認します。

損益計算書とは、企業の経営成績を表す財務諸表です。

貸借対照表とは、企業の財政状態を表す財務諸表です。

これに対し、株主資本等変動計算書とは、株主から出資を受けた株主資本というものの変動を表す財務諸表であり、比較的新しい財務諸表になります。

キャッシュフロー計算書とは、現金など(キャッシュ)の変動(フロー)を表す財務諸表です。

附属明細表とは、企業会計原則における財務諸表附属明細表にあたるもので、貸借対照表や損益計算書の明細表のことです。

これらの5つが金融商品取引法会計で開示される財務諸表になります。

一般に公正妥当と認められる企業会計の基準

このように金融商品取引法会計におけるルールが財務諸表等規則になるわけですが、この財務諸表等規則にも従うべきルールがあります。

それが一般に公正妥当と認められる企業会計の基準になります。

金融商品取引法は原則として一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うとされます。

一般に公正妥当と認められる企業会計の基準とは、企業会計原則企業会計基準委員会の公表する会計基準などのことです。

企業会計基準委員会とは、会計基準を実際に作る団体のことです。

これは企業会計原則を作成した団体である企業会計審議会のようなイメージです。

企業会計審議会は企業会計原則を作りましたが、この企業会計基準委員会はその他のさまざまな会計基準を作っている団体だと会計学の勉強では考えておきます。

古い企業会計審議会に対して、新しいのが企業会計基準委員会だと考えます。

そして、企業会計原則や企業会計基準委員会の公表する会計基準というのは、一般的にいって公正で妥当だと考えられるので、金融商品取引法会計において従わなければいけない基準とされていますよというのが「金融商品取引法は原則として一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従う」という言葉の意味になります。

金融商品取引法会計における規則と会計基準の関係

そのため、財務諸表等規則(または連結財務諸表規則)に定めのないものについては、企業会計原則、企業会計基準委員会の公表する会計基準などにより処理されることになります。(連結財務諸表規則というのは、連結会計のルールを定めているものです。)

このように金融商品取引法会計では、まずは財務諸表等規則などのルールに従い、そのルールに書いていないようなことがあったときは、一般に公正妥当と認められる基準である企業会計原則や会計基準に従うとされるわけです。

以上が会計学における金融商品取引法会計のお話になります。

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