会計学

会社法会計と会社計算規則とは|目的と特徴|開示される財務諸表

会社法会計の目的と特徴

会社法会計とは何でしょうか?

会計学で勉強する会社法会計についてわかりやすく説明します。

まず、会社法とは会社のルールを定めている法律になります。

そして、会社法会計とは、会社外部への報告を目的とする制度会計の一種です。

制度会計というのは、金融商品取引法、会社法、法人税法などによって制度化されている会計のことを意味します。

制度会計ではそれぞれの制度の目的に応じて別々の会計ルールが決められています。

会社法の目的は債権者保護

会社法の目的は債権者保護にあります。

債権者というのは、会社の取引先のことです。

取引先からして見れば、会社がつぶれては困るので、会社の業績を知る必要があります。

このような取引先に役に立つ有用な情報を提供することが会社法会計の目的になります。

会社法は公平性を重視するのに、なぜ一方の当事者である債権者を優遇するのか?

会社法だけでなく法律全体にあてはまることですが、法律は当事者同士の利益のバランスをとることを重視します。

これを利益衡量といったり、公平性といいます。

当然、法律の1つである会社法でも公平であることは重視されます。

では、なぜ公平性を重視していながら、会社における取引の一方の当事者である債権者(取引先)を保護するのでしょうか。

会社は自分の会社に対して財務情報や会社の先行きなどに関する情報を一番もっています。

一方で、取引先はその会社ほどはその会社の情報を持っていません。

そのため、(経済学でいう)情報の非対称性が生じ、通常の状態が債権者(取引先)に不利な状態になっています。

そこで、当事者間の利益のバランスをとるために、会社法ではいわゆる情報弱者になりやすい債権者(取引先)を保護しているわけです。

これが会社法は公平性を重視するのに、なぜ一方の当事者である債権者を優遇するのかという理由になります。

会社法会計と会社計算規則

次に、会社法の会計についてのルールを確認します。

この会社法における会計に関するルールが会社計算規則です。

会社計算規則とは、会社法上作成が義務付けられている財務諸表の形式や記載方法を定める規則のことです。

会社法会計における財務諸表

この会社計算規則において開示される財務諸表について確認します。

なお、会社法会計における財務諸表は、金融商品取引法会計(財務諸表等規則)における財務諸表とは一部異なっているので注意します。

会社法会計において開示される財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表、(附属明細書)、(事業報告)の4つ(または6つ)になります。

附属明細書、事業報告書を入れれば6つ、入れなければ4つになります。

貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書は金融商品取引法会計(財務諸表等規則)と同じです。

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注記表は貸借対照表や損益計算書に関する注記(会計処理の方法など)をまとめた報告書です。

注記という注記すべき事項をまとめた表なので注記表といいます。

附属明細書とは、貸借対照表や損益計算書の明細書です。

附属明細書は、内容は(企業会計原則や金融商品取引法会計および財務諸表等規則でもとめられる)附属明細表と同じですが、会社法会計の場合、「表」ではなく「書」なので注意します。

また、事業報告というのは、会社の事業の状況を報告するための報告書です。

以上が、会社法会計で開示される4つ(または6つ)の財務諸表になります。

会社法・会社計算規則に定めのないものの会計処理

会社法・会社計算規則に定めのないものの会計処理についても金融商品取引法会計と同様です。

つまり、会社法会計でも原則として一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うとされます。

そして、会社法や会社計算規則に定めのないものについては、企業会計原則、企業会計基準委員会の公表する会計基準などにより処理するとされます。

以上が会社法会計のお話になります。

 

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