米国株のセクター別ETF|アメリカ株式市場11セクター上昇率比較
アメリカ株式市場の米国株セクター別ETF
米国の株式市場は、業種の区分として、一般消費財、生活必需品、ヘルスケア、資本財、情報技術、素材、不動産、公益事業、金融、エネルギー、コミュニケーションという11のセクターに分かれています。(2018年9月に従来の電気通信セクターにかえてコミュニケーション・セクターが新設されました。)
セクター別投資をする場合は、セクター別のETFを購入することになります。
2018年9月に新設されたコミュニケーション・セクター以外の各セクターにおけるETFは以下のようになります。
セクター | ETF |
一般消費財 | XLY |
エネルギー | XLE |
金融 | XLF |
情報技術 | XLK |
公益事業 | XLU |
資本財 | XLI |
生活必需品 | XLP |
素材 | XLB |
ヘルスケア | XLV |
不動産 | XLRE |
不動産セクターのXLREは2015年に設定された比較的新しいETFです。
(また、2018年9月まではテクノロジー領域のXLKが情報技術と電気通信サービスの両方をカバーしていました。)
これらのETFの名称は以下のようになります。
ETF | 名称 |
XLY | Consumer Discret Sel Sector SPDR ETF |
XLE | Energy Select Sector SPDR ETF |
XLF | Financial Select Sector SPDR ETF |
XLK | Technology Select Sector SPDR ETF |
XLU | Utilities Select Sector SPDR ETF |
XLI | Industrial Select Sector SPDR ETF |
XLP | Consumer Staples Select Sector SPDR ETF |
XLB | Materials Select Sector SPDR ETF |
XLV | Health Care Select Sector SPDR ETF |
XLRE | Real Estate Select Sector SPDR ETF |
アメリカ株のセクター別ETFのパフォーマンス
1998年12月からの米国株セクター別ETFの値動き
設定時期が新しいXLRE以外は1998年12月に設定されたETFです。
XLRE以外のものについて、価格調整後の値をもとに1998年12月22日の値を100(%)として2018年7月末までの騰落をグラフにしてみます。
また、参考としてS&P500指数に連動するETFであるSPYも同じグラフに描きます。
上記グラフを数字にしたものが以下になります。
XLY | 551% |
XLE | 478% |
XLI | 468% |
XLV | 464% |
XLB | 446% |
XLU | 355% |
SPY | 343% |
XLP | 311% |
XLF | 285% |
XLK | 276% |
一番上昇しているのは、XLY(一般消費財)の551%でした。
一方で、一番上昇率が低かったのはXLK(テクノロジー)の276%でした。
SPYの上昇率は343%でした。
これに対し、XLY、XLE、XLI、XLV、XLB、XLUの6つはSPYよりも上昇率が高くアウトパフォーム、XLP、XLF、XLKの3つはSPYよりも上昇率が低いアンダーパフォームでした。
なお、S&P500指数は同時期に234%の上昇でした。インデックス(株価指数)そのものよりもETFの方が総じて上昇率が高くなるようです。
情報技術を含むテクノロジー(XLK)のパフォーマンスが低かったは意外でした。
2000年前後のインターネットバブル期には、一番上昇率が高かったのですが、インターネットバブル崩壊による株価の低迷の影響が一番大きかったことも足を引っぱったようです。
また、金融セクター(XLF)は、下から2番目の成績でしたが、こちらはリーマンショック時の下落幅が大きかったために、全体の成績も低くとどまったようでした。
一方で、一般消費財セクター(XLY)が最も成績が良かったわけですが、一般消費財というとピンときませんが、アマゾン(Amazon、AMZN)やネットフリックス(Netflix、NFLX)などが構成銘柄に入っているため、一位になるのも納得だといえます。(ネットフリックスは2018年9月からはコミュニケーション・セクターに変更になりました。)
エネルギー・セクター(XLE)は2位でしたが、一番アップダウンの激しいセクターでした。
特にリーマンショック前の資源価格の上昇や2008年のリーマンショックによる大きな下落、2013年のシェールガス革命による既存のエネルギー関連企業の株価の下落などでは非常にボラティリティ(変動率)が高くなっています。
エネルギー・セクター(XLE)は、バイ・アンド・ホールドには適さないかもしれませんが、時期をうまく捉えられれば、面白いセクター(ETF)だといえそうです。
2015年10月以降の米国株セクター別ETFの値動き
では、XLREが設定された2015年10月以降の値動きについて同様にみてみましょう。
XLREを含む11のセクター別のETFとSPYの値動きをグラフにとってみます。
ここでは2015年10月8日の値を100(%)として表示しています。
上記グラフを数字にしたものが以下になります。
XLF | 202% |
XLK | 180% |
XLI | 153% |
XLY | 149% |
SPY | 148% |
XLB | 143% |
XLV | 136% |
XLU | 132% |
XLRE | 121% |
XLE | 120% |
XLP | 117% |
2015年からの値動きでは、最も上昇したのが金融セクターのXLFで、最も上昇率が低かったのが、生活必需品セクターのXLPでした。
S&P500の値動きに連動するSPYよりも成績が良かったのが、XLF、XLK、XLI、XLYの4つ、SPYよりも成績が悪かったのが、XLB、XLV、XLU、XLRE、XLE、XLPの6つでした。
金融セクター(XLF)は1998年からの値動きでは下から2番目でしたが、2015年からの動きでみると、リーマンショック後の戻しと最近のフィンテックの影響もあってか、最も上昇率が高くなっています。
また、こちらはシェールガス革命の影響ですが、1998年からのデータでは2位だったエネルギー・セクター(XLE)が下から2番目に低迷しています。
なお、不動産セクター(XLRE)は下から3番目の成績でした。
こうしてみると、時期ごとに成績にバラツキがあるのがみてとれます。
相場環境に合わせたセクターの選択が必要なようです。