企業・産業研究

ブランド戦略とは|事例:GUを生んだユニクロのブランド戦略の成功例

ユニクロのブランド戦略

ブランド戦略の基本

ブランド戦略におけるブランドとは、ブランド品のブランドのことをイメージします。

ですから、ルイヴィトンとかグッチとかシャネルとかなどがブランドになります。

また、ブランド戦略でいうブランドには企業のブランドも含みます。

たとえば、トヨタとかホンダとか、ニンテンドーなどです。

あと、広義ではクールジャパンにおけるジャパン(日本)というブランドなどもブランド戦略の対象となりますし、最近ではセルフブランディングという形で、個人もブランド戦略の対象となってきています。

ブランドのマーケティング的な位置づけ

ブランドのマーケティング的位置づけを考えてみます。

ブランドはマーケティングの4Pとの関係でいえば、製品(Product)に関連します。

マーケティングの4Pとは、マーケティング学者のマッカーシーが提唱した概念で、マーケティングの要素を製品(Product)、価格(Price)、販売経路・物流(Place)、販売促進(Promotion)の4つに分類する考え方です。

そのため、ここではブランド戦略は製品戦略の一種として考えていきます。

ブランド戦略の基本=ブランド・ロイヤルティを高める

ブランド・ロイヤルティとは、特定のブランドに対する顧客の忠誠心のことです。

たとえば、スマートフォンは、iPhoneしか買わないという顧客は、iPhone(もしくはApple)に対するブランド・ロイヤルティが高いといえます。

このロイヤルティという言葉は、ビジネスの世界では、他にも加盟料とか、特許の使用料という意味で使う場合もありますが、ここではブランドに対する忠誠心のことを指してブランド・ロイヤルティといいます。

この顧客のブランドロイヤルティを高めるというのが、ブランド戦略の基本になります。

ブランド増殖戦略

また、そのほかのブランド戦略として、ブランド増殖戦略があります。

ブランド増殖戦略というのは、ライバルの新規参入を阻止するためのブランド戦略です。

主に成熟した市場において、ブランドのすきまを埋めて、ニッチ市場(すきま市場)をなくすことで新規参入を阻止するために活用されます。

どの企業も進出していないすきま市場に対して新しいブランドを投入することで、新規の参入を阻止するというのがブランド増殖戦略になります。

たとえば、ある商圏(=市場)で女性服と男性服についてはブランドがひしめいているけど、子供服についてはブランドの数が足らないという場合、そのままでは、ライバルがいずれ子供服ブランドに進出してしまい、すきまを取られてしまいます。

それを避けるため、自分で子供服ブランドを立ち上げてすきま(ニッチを)埋めるというのがブランド増殖戦略になります。

ユニクロのブランド戦略

このブランド増殖戦略そのものではありませんが、ユニクロのとったブランド戦略はこのブランド増殖戦略にとてもよく似ています。

ユニクロはもともと低価格を売りにリーズナブルな商品を提供することで、成功をおさめてきました。

ですが、その後、ヒートテックやエアリズムに代表されるような機能性の高い衣料品を提供し、だんだんと付加価値を高めてきました。

また、外国のブランドを傘下におさめたり、提携したりすることで、デザイン力も高めてきました。

それにともなって、だんだんと価格も高くなることになります。

そのため、もともと自分がいた「低価格でリーズナブル」というポジションから外れてきてしまい、もともと自分がいたポジションにすきまが生じてしまいました。

このすきまの一部は、しまむら(ファッションセンターしまむら)などのライバルにとられてしまったため、これ以上すきまをとられることを防止するために、ユニクロはGUという新しいブランドを立ち上げ、それをもともと自分がいた「低価格でリーズナブル」というポジションに当てはめました。

このユニクロのブランド戦略は、自分であけたすきまを自分で埋めるものですので、ブランド増殖戦略そのものの事例ではありませんが、ブランド増殖戦略的なブランド戦略の成功例だといえます。