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株価と金の相関関係|株と金の値動きは本当に逆相関の関係なのか

過去の金と将来の株価の相関図

株価と金価格の相関関係について

一般的に株価と金価格は逆相関の関係にあるといわれています。

これは株価が上がれば、金価格は相対的に低くなり、株価が下がれば、金価格は相対的に高くなることを意味します。

金は伝統的に日本円とともに保守的な資産であるとされるため、株価が暴落するときには、金が買われることが理由だと思われます。

では、実際に株価と金価格の間にはどのような相関関係があるのでしょうか。

ここではアメリカの株価指数であるS&P500と金の先物価格との関係を調べてみます。

まずは単純にそれぞれの価格同士の相関図を描いてみます。

横軸にS&P500の値、縦軸に金の先物価格をプロットしてみます。(データは1993年3月から2018年5月のものです。)

株と金の相関

株も金も物価上昇によるインフレの影響を受けますので、どちらも全体としては値上がり傾向にあるため、長期的には株が高ければ金も高いという関係が成り立つことから、指数や価格そのものの値では右上がりの正の相関があることがわかります。(ちなみに1993年から2018年にかけてS&P500は約400から2800に上昇しています。また、金の先物は約300から1200に上昇しています。)

ですが、これだけだとどのようにトレードしたら良いかわからず、トレードの指針としては使いにくいです。

過去の金価格と将来の株価との関係について

そこで、今度は過去の金先物価格の変動から将来の株価の騰落を予想するため、過去20日間の金の先物価格の騰落率とそこから20日後の株価の騰落率をプロットしてみます。(日数は米国の営業日を基準とします。)

過去の金価格と将来の株価の関係

すると過去の金価格のふるまいと将来の株価の間には、やや右下がりの負の相関関係があることがわかります。

つまり、過去の金価格が高ければ、将来株価は値下がりする傾向にあり、過去の金価格が安ければ、将来株価は値上がりする傾向にあるといえます。

このことから、現在の金価格と現在の株価の間だけでなく、過去の金価格と将来の株価の間にも逆相関の関係があるということが確認できました。

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金価格と株価の関係を利用したトレードのアイデア

さて、ここでは相関図の右上の赤い円で囲った部分に注目します。

過去の金と将来の株価の相関図

ここは過去20日間の金の先物価格の騰落率がだいたい20%以上となっている領域ですが、ここでは点が右側に偏っており、将来の株価がほぼすべてでプラスとなっていることがわかります。

つまり、過去20日間の金の価格が20%以上値上がりしていたら、株を買えば良いといえそうです。

これは金が高いときに株を買うということですから、逆相関の関係が崩れているときに、その傾向が続くことに賭けることを意味します。

別の視点で考えると、何らかのショックで安全資産である金へと資金が集まって金価格が上昇した場合、そのショックが収まったあとには、資金がまた株式市場へと戻ると考えられることから、将来は株価が高くなると予測されます。

では、これらの点をデータとして見てみると以下のようになります。

過去20日金と20日後株価

金の価格が20%以上値上がりしたのは過去13回ありますが、結局、月あたりで見てみると1999年9月、1999年10月、2006年5月、2008年10月の4回だけになります。

1999年の9月と10月はトレード機会としては1回としてカウントすると、3回しかトレード機会はなく、うち1回は損失(2006年5月)となり、2勝1敗勝率は66%であることがわかります。

これを改善できないか、さらに検討してみます。

まず、データの個数を増やすため金の価格が過去20日間で15%以上値上がりした場合を見てみます。

そして、金価格の過去の騰落について、過去20日間のデータに加え、過去40日、過去60日の状況も見てみたいと思います。

また、将来の株価の変動の方も20日後以外に、40日後、60日後、80日後、100日後、120日後と長期にわたる変動を見てみましょう。

中長期の株と金の相関

(データ数が多くなるため、表のデータはトレード機会ごとに月ごとにまとめています。)

すると、20%上昇から15%上昇へと閾(しきい)値をゆるくしたので、データ自体も増えてますが、損失になる時期も2008年10月や2009年1月と数が増えてしまっています。(表の背景がグレーの部分です。)

また、これらの時期は120日後の株価もマイナスなため、長期保有したとしても意味がないことがわかります。(表のグレーの部分の右端になります。)

ですが、これらの時期は過去60日間の金価格の値動きで見るとマイナスとなっている時期であることがわかります。(表の赤い四角で囲われた①の部分です。)

これらの金価格が中期的に値下がりしている時期(要するに赤い四角の時期)を除いて考えると、約半年後にあたる120日(営業日)後にはすべての時期で利益となり勝率が100%となります。(表の右端の青字の部分です。)

以上をまとめると、過去のデータでは金と株価の相関関係は

金の先物価格が(営業日ベースで)過去20日間で15%以上上昇し、かつ、過去60日間で0%以上上昇してる場合

120日後にS&P500株価指数が上昇する確率は100%である

という関係にあることがわかりました。