経営学

リストラクチャリング、BPR、コア・コンピタンスとは|意味、企業の事例

強さのイメージ

経営学における経営革新手法とは

企業経営を革新するためのツールになるものが経営革新手法です。

この経営革新手法の具体例は、リストラクチャリング、リエンジニアリング(BPR)、リソースベース理論、シックスシグマ、ナレッジマネジメントなどがあります。

リストラクチャリング

立て直しの方のリストラクチャリング

リストラクチャリングとは、 わかりやすくいえば事業構造の再構築のことです。いわゆるリストラです。

リストラクチャリングの英語のスペルはRestructuringです。structureが「構造」なので、「再び」を意味するreをつけて最構造化、再構築という意味になります。

不採算部門から撤退し、採算性の高い部門に進出することにより、事業構造を再構築するというのがリストラクチャリングの意味になります。

リストラというと、悪いイメージがありますし、日本の場合、ほぼ「首切り」と同義で人事部門に限って使われていますが、経営学的にリストラクチャリングといった場合、人事部門に限った話ではないですし、採算性の高い部門に進出するという積極的な意味合いもあるので、正しい言葉の使い方には注意が必要です。

リストラクチャリングの具体的な企業事例

このリストラクチャリングの具体的な事例は、ゼネラル・エレクトリック社(GE)の元経営者(CEO)だったジャック・ウェルチのとった「ナンバー1かナンバー2戦略」があります。

ナンバー1かナンバー2戦略というのは、1位か2位になる可能性のある事業以外を売却するという戦略になります。

これはつまり、3位以下の事業についてはリストラするということですから、リストラクチャリング戦略の具体例だと考えることができます。

なお、ジャック・ウェルチさんは、経営のプロ中のプロにあたる専門経営者の代表格として有名です。

プロ経営者とは
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リエンジニアリング(BPR)

コンピュータネットワークのイメージリエンジニアリングは、正しくはビジネス・プロセス・リエンジニアリング(Business Process Reengineering)といい、英語の頭文字をとってBPRともいいます。

リエンジニアリングの提唱者は、ハマー、チャンピーという人です。

ハマーとチャンピーは「リエンジニアリング革命」という本の中で、既存の業務のプロセスを再編成し、コンピュータ技術(IT技術)を活用することで経営を合理化する手法としてリエンジニアリングを提唱します。

つまり、コンピュータ・ネットワーク(企業内LANやイントラネット)などのITを活用することで、経営を合理化する手法がリエンジニアリングになります。

このリエンジニアリングの具体例は「リエンジニアリング革命」によれば、航空チケットの座席の予約・発券業務をコンピュータを活用することで合理化した事例などが紹介されています。

リソースベース理論

強さのイメージリソースベース理論とは、市場環境の分析からではなく、企業の経営資源から競争優位の創造と維持を説明しようとする理論です。

企業内部の強みを伸ばすことで競争を勝ち抜いていこうとする理論、企業内部の経営資源、すなわちリソースを基礎とする(リソースをベースとする)理論だからリソースベース理論といいます。

このリソースベース理論のことをリソース・ベースド・ビュー(英語だとResource Based View)ということもあります。

このリソースベース理論についてSWOT(スウォット)という概念で考えてみます。

SWOTとはストレングス(Strengths)=強み、ウィークネス(Weaknesses)=弱み、オポチュニティ(Opportunities)=機会、スレット(Threats)=脅威に分け、企業の内部要因と外部環境を分析する手法です。

このうち、強みと弱みは企業の内部要因になります。

これに対し、機会と脅威は外部の環境の話です。

リソースベース理論は、企業内部の強みを伸ばす理論なので、SWOTの中のS(ストレングス)に注目する理論だといえます。

これを子育てにたとえると、周りのはやり(機会)・すたり(脅威)ではなく、短所(弱み)を矯正するという形で小さくまとまらずに、その子の長所(強み)を伸ばす教育というイメージがリソースベース理論になります。

企業成長の理論

リソースベース理論の基盤となったのが、ペンローズの「企業成長の理論」です。

ペンローズは、企業は物的資源と人的資源の結合体であるとし、未利用資源の活用が企業を成長させる内部圧力となるとしました。

つまり、ペンローズは「ヒト・モノ・カネ・情報」とある企業の経営資源の中で、人的資源(=ヒト)と物的資源(=モノ)に注目したわけです。

ただし、ペンローズが「企業成長の理論」を書いた1959年には、経営資源は「ヒト・モノ・カネ」の3つしか認識されておらず、技術やノウハウ、知的財産権などの「情報」は経営資源としては一般に認識されていませんでした。

ですから、人的資源(=ヒト)と物的資源(=モノ)と財務的資源(=カネ)の中で、ペンローズはヒトとモノを重視したということになります。

そして、未利用資源の活用が企業を成長させる内部的な圧力となるということなので、企業成長の源としてペンローズは未利用の経営資源を挙げたということですね。

コア・コンピタンス

このリソースベース理論の考え方を基礎としているのが、コア・コンピタンスです。

コア・コンピタンスとは、優位性のある独自の経営資源や技術を意味します。

現代では競争が激しくなってきているため、一企業が多くの事業領域で競争優位性を保つことが難しくなってきています。

そのため、企業のコア・コンピタンスを見極めて事業を選択することが必要になってきているとされます。

このコア・コンピタンスの論者はハメルとプラハラッドです。

ハメルとプラハラッドは著書「コア・コンピタンス経営」の中で、コア・コンピタンス経営を実施している企業の具体的な事例として、ソニーのデバイスを小型化する技術やシャープの薄型ディスプレイにおける液晶技術などを挙げています。

シックスシグマ

六角形シックスシグマとは、生産管理における用語で生産部門の能力を表す数字のことです。

品質のバラツキを表していて小さいほどよいとされます。

シックスシグマのシグマ(σ)というのは、いわゆる標準偏差のことです。

標準偏差というのは、データのバラツキを表す統計上の用語ですが、ここでは標準偏差は品質の変化、つまり品質のバラツキを表しています。

品質のバラツキというのは、たとえば直径1センチの穴をあけるときにどれくらいズレがあるかというのが品質のバラツキなので、小さいほうがいいということになります。

これが生産管理におけるシックスシグマの意味になりますが、このシックスシグマというのは別の意味で使われることもあります。

それが経営革新手法としてのシックスシグマです。

経営革新手法としてのシックスシグマは、経営において生じるエラーやミスを極少化(100万回に3、4回以下に)することで、経営の質を高める手法を意味します。

標準偏差であるシグマはデータのバラツキを表しています。

この標準偏差シグマはある幅をあらわします。

これは偏差値でいったほうがわかりやすいので偏差値でいうとプラスマイナス10の幅が1シグマになります。

シックスシグマというのはシグマの6倍(6σ)のことなので、偏差値でいうとプラスマイナス60の幅になります。

つまり、偏差値110から偏差値-10の幅ということになります。

たとえば大学受験の模試などで最高の偏差値や最低の偏差値というとどのくらいでしょうか。

いい場合でも偏差値80台後半くらいが限界ですよね。

一方、悪い場合だと偏差値30台とか20台くらいかなと思われます。

ですから、偏差値110とか偏差値がマイナスというのは、よっぽどありえないケースだといえます。

そのありえないというのを突破する確率が100万回に3、4回以下ということになります。

こういった100万回に3、4回以下というありえないケースというのは、エラーやミスでいうとどれだけ気をつけていても起こってしまうようなどうしようもないエラーやミスだといえます。

こういったどうしようもないエラーやミス以外はミスをなくそうという考え方、それが経営革新手法としてのシックスシグマになります。

ナレッジマネジメント

知識の画像ナレッジマネジメントとは、日本の野中郁次郎さんらがその著書「知識創造企業」の中で提唱したもので、知識を形式知と暗黙知に分け、これらの知識(ナレッジ)を活用することで経営を革新する手法を意味します。

ここで形式知とは、文章化・マニュアル化できる知識のことをいい、暗黙知とは、文章化・マニュアル化できない知識のことをいいます。

以上が経営学における企業の経営革新手法になります。

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