会計学

重要性の原則とは|企業会計原則の適用例:前払費用など|金額基準は5%?

重要性の原則

重要性の原則とは

企業会計原則の一般原則ではないものの、一般原則に準ずる重要な原則が重要性の原則になります。

企業会計の目的は、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるため、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも(一般原則である)正規の簿記の原則に従った処理として認められるというのが重要性の原則の意味になります。

「認められる」ということなので、重要性の原則の適用は義務ではありません

わかりやすくいうと、金額などが重要でないものは、簡単な処理によってもいいよというのが重要性の原則になります。

重要性の原則の適用

重要性この重要性の原則は、会計処理や財務諸表の表示に関して適用されます。

そして、重要性の原則は企業会計原則の一般原則ではないですが、企業会計原則注解において、正規の簿記の原則に従ったものとして認められています。

重要性の原則によって簡便な方法によったとしても、正規の簿記の原則に従った処理として認められますよということです。

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重要性の原則の適用例(具体例)

企業会計原則が例示している重要性の原則の適用例(具体例)を紹介します。

なお、企業会計原則における重要性の原則の適用例は、例示列挙です。

例示列挙というのは、例としてあげているだけで、他にも重要性の原則が適用されるものはあるよという意味です。

この反対は限定列挙になります。

限定列挙の場合は、例として挙げられているものしかないよという意味になります。

企業会計原則の重要性の原則の適用例は例示列挙なので、このほかにも重要性の原則は適用されるということになります。

では、順番にみていきます。

消耗品、貯蔵品など

  • 消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時または払出時に費用として処理することができる

本来、ノリとか、切手といった消耗品なども(いくら小さくても)資産として処理する必要があります。

ですが、重要性の低いものは買ったときに費用として処理してしまっていいということです。

前払費用などの経過勘定項目

  • 前払費用、未収収益、未払費用、前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる

適正な期間損益計算のために計上される経過勘定については、重要性が低ければ経過勘定として処理せず、支払や受取のあったときに費用や収益として処理してもいいよということです。

棚卸資産、有価証券、固定資産取得の際の付随費用

  • 棚卸資産の取得原価に含められる付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる
  • 有価証券の取得原価に含められる付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる
  • 固定資産の取得原価に含められる付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる

棚卸資産、有価証券、固定資産といった資産を購入したとき、その金額は取得原価で評価されます。

この取得原価は、買った金額とそれに付随する手数料などの費用が含まれることになります。

この手数料などの付随費用のうち重要性の乏しいものは、取得原価に入れなくていいよというのも重要性の原則の適用例になります。

以上が重要性の原則の適用例(具体例)のお話になります。

重要性の原則の金額基準

パーセントでは、重要性の原則において金額がいくらであれば重要性がないといえるのでしょうか。

「重要性の原則の基準は税引前利益の5%である」だといわれていますが、より正しくは5%から10%の範囲内とするようです。

以上が重要性の原則のお話です。