グループディスカッションのコツと集団討論対策|内定に必要な3つの能力

就職活動

グループディスカッションのコツ・集団討論対策

就職活動で面接試験以外にグループディスカッションや集団討論を実施する会社や自治体が増えています。

民間企業の場合はグループディスカッションということが多く、公務員試験の場合は集団討論とよぶことが多いですが求められているものは同じです。

グループディスカッション(集団討論)の対策はどのようにすればいいのでしょう。

グループディスカッションのコツについて紹介します。

グループディスカッション・集団討論のイメージ

グループディスカッションのイメージ

グループディスカッション(集団討論)のイメージは、友達とする「相談」の延長みたいなものです。

たとえば、みんなで旅行に行く計画をするようなイメージになります。

グループディスカッション(集団討論)では討論の対象を論点とよびますが、旅行の計画でも決めなければいけない「論点」があります。

旅行の計画では「論点」としてメンバー、場所、時期、予算、移動手段、現地での行動などを話し合いで決めていきます。

実際の計画では、論点ごとに各自が「意見」をいって、他のメンバーはそれに対して「賛成」または「反対」を述べることになります。

そして、意見が出つくしたら、各論点を「まとめ」て、最終的な結論を決めることになります。

たとえば、場所を決める場合

👧「ディズニーランドに行きたい」

👦「いやUSJでしょ」

👩「レゴランドもいいんじゃない」

という具合に、みんなで意見を出し合います。

それから、みんなの意見を調整して最終的な行き先を決めていきますね。

グループディスカッション(集団討論)でも、同じようなプロセスで議論を進めていきます。

ディスカッションや討論で求められる能力

ソファーに座って話し合い

グループディスカッションでは、みんなで協力して結論を導くことが重要です。

そのため、コミュニケーション能力や協調性、積極性というものが求められます。

能力1:積極性

グループディスカッションや集団討論で一番よくないのは何もしゃべらないことです。

自分から議論をリードし、新しい視点や知識を提案していく積極性が求められます。

また、他人の意見を頭ごなしに否定したり、感情的にマイナス発言をするというのもNGになります。

討論の過程(プロセス)が重要 = 知識はそれほど求められない、結果の是非もそれほど問題とはならない

大事なのは結論ではなくてディスカッションの過程(プロセス)です。

ですから、課題も知識をきかれるものは少ないですし、討論の結果の良し悪しもそれほど問題にはなりません。

能力2:コミュニケーション能力

グループディスカッションや集団討論を成功させるには、他人との意見の円滑なやりとりが必要になります。

他人の意見に耳を傾け、自らの意見をきいてもらうためには、コミュニケーション能力が欠かせません。

反面、他人の意見に無関心なのは、討論がきちんと進まないためNGとなります。

能力3:協調性

ディスカッションの過程では、ほかの人と意見が対立することがあります。

そんなときに、自分の意見に固執してしまうと議論が先に進まなくなります。

したがって、グループディスカッション(集団討論)には協調性も求められます。

一方で、他人と協調せず、延々と自分の意見を話したり、自分の意見に過度にこだわりすぎるのはNGとなります。

グループディスカッション・集団討論の流れ

キリンの討論・ディスカッション

ここではグループディスカッション(集団討論)の流れとしてよくある形式を紹介します。

個人検討(5分~15分程度)

討論・ディスカッション(40分~60分程度)

発表(5分~10分程度)

最初に、試験の監督者が課題を出します。

課題はA4の紙の形で配られることが多いです。

まずは課題を各個人が検討します。

ここで、課題についての考えられる論点やそれについての自分の意見をかためます。

この個人検討の時間はだいたい5分から15分程度を想定します。

試験の監督者から指示される場合もありますし、次のディスカッションの時間に含められることもあります。

次に、個人検討を済んだら、いよいよ本番のディスカッションに入っていきます。

ディスカッションの時間は、会社や自治体によって違いますが、だいたい40分から60分くらいが多いようです。

この時間の間に課題について意見を出し合い、結論までたどり着く必要があります。

最後に、討論の結論を発表します。

代表者を決め発表する形が多く、発表の時間はだいたい5分から10分程度です。

ディスカッション(討論)だけで、発表のない場合もあります。

このような流れでグループディスカッション(集団討論)を行っていきます。

グループディスカッション・集団討論における役割

チームで会議・喧々諤々

グループディスカッション(集団討論)では、役割ごとのチームプレーが必要になります。

グループディスカッション(集団討論)の役割には、①司会、②タイムキーパー、③書記、④役割なし(意見を出す役・盛り上げ役)の4つがあります。

役割1:司会

司会は議論のリーダーです。ですから、リーダーとしてのリーダーシップが求められます。

司会の具体的な役割・セリフ

具体的には、論点を整理したり、途中や最後にまとめを行ったり、テーマから脱線しかけたときは軌道修正するのはリーダーの役目です。

論点の洗い出しときのセリフ

司会Aさん👧「このテーマでは、○○と□□が論点になると思います。」

司会Aさん👧「私は○○については……、□□については……と考えます。」

司会Aさん👧「ほかに論点として考えられるものはありますか?」

軌道修正が必要なときのセリフ

司会Aさん👧「なるほど、○○ということですね。ただ、□□というテーマからは少し外れてしまうかもしれないと思うのですがいかがでしょうか?」

時間に目を配るのはタイムキーパーの役割ですが、司会も制限時間内に議論をまとめるというタイムキーパー的側面も求められます。

タイムキーパーに対して時間を確認するためのセリフ

司会Aさん👧「Bさん、残り何分ですか?」

議論の中盤にまとめをするために、書記に対していうセリフ

司会Aさん👧「ここで一旦まとめましょう。Cさん、いままで意見はいくつありましたか?」

議論の終盤に全体のまとめをするために、書記に対していうセリフ

司会Aさん👧最後にまとめましょう。Cさん、いままで出た意見を読み上げてもらえますか?」

書記の読み上げ後にいうセリフ

司会Aさん👧「では、全体をまとめましょう。○○については……、□□については……ということでよろしいでしょうか?」

司会は全体を見渡して、発言が少ない人に対し質問するなどフォローすることで全員参加を心がけましょう。

発言が少ない人に対していうセリフ

司会Aさん👧「Eさんはどう思いますか?」

役割2:タイムキーパー

タイムキーパーは、タイムスケジュール(開始時間、経過時間、終了時間)を把握し、適切なタイミングで周りにアナウンスするのが役割です。

タイムキーパーの具体的な役割・セリフ

議論の終盤に入ったときにいうタイムキーパーのセリフ

タイムキーパーB君👦「残り時間10分です。議論の内容が少し広がりすぎていると思うので提案ですが、もう少し論点を絞り込みませんか?」

終了間際、まとめ時間にいうタイムキーパーのセリフ

タイムキーパーB君👦「そろそろまとめの時間です。最後に何か意見はありますか?Eさんはどうですか?」

本来タイムスケジュールは司会が音頭を取り全員で決めるべきですが、司会がタイムスケジュールを決めようとしない場合は、タイムキーパーが提案します。

タイムスケジュールの提案例1
タイムキーパーB君👦「時間配分を決めたいと思います。最後の5分をまとめの時間として、それまでの間は自由に議論を進めて行きませんか?」
タイムスケジュールの提案例2

タイムキーパーB君👦「論点の数は3つですね。残り時間が30分ですので、各論点10分程度を目安に議論を進めていきましょう。」

状況に応じてタイムスケジュールの変更を提案するのもタイムキーパーの役割です。

役割3:書記

書記は議論の過程と結論を整理してメモしていく役割です。

書記の具体的な役割・セリフ

たとえ書記であってもメモだけをとっていればいいわけではなく、きちんと議論に参加する必要があります。

したがって、メモをとるときは要点のみをメモします。

また、メモをとる過程において、意見をまとめる手助けをすることも大切です。

書記Cさん👩(Aさんの意見とBさんの意見は同じ意見だな)

書記Cさん👩(この意見はメリットの話、この意見はデメリットの話)

というように議論の構造化に役立つ形でメモをとるのが望ましいです。

議論の構造化というのは、たとえばメリット・デメリットのような形で、それぞれの意見を分類して整理することです。

この議論の構造化がきちんとできているとディスカッションの質が格段に上がります。

そのため、書記の立場でメモをとる場合も、議論の構造化の視点をもってメモするようにします。

役割4:役割なし(意見を出す役・盛り上げ役)

役割としては何の役にもつかないという役割なしの人のことですが、役割がない分、積極的に意見を出し、議論の場を盛り上げていく必要があります。

意見を出す役・盛り上げ役の具体的な役割・セリフ

議論を盛り上げるため、テーマに対する論点やそれに対する意見、知識・情報を積極的に提供するように心がけます。

意見を述べるときは面接試験と同様に、「結論+理由(具体的なエピソード等を踏まえた理由)」で話すようにしましょう。

また、ほかの人の意見に対する相づちや賛意の表明など積極的に話を聴いている姿勢をしめすことも大切です。

他人の意見を否定してばっかりというのも問題ですが、ほかの人の意見をそのまま鵜呑みにするのもよくありません。

ほかの理由やデータで検証するという健全な批判的精神も必要になります。

盛り上げ役D君👱「Aさんの意見は○○という理由からも裏付けられると思います。」

盛り上げ役D君👱「基本的にはAさんと同意見なのですが、○○という場合(人、時)には当てはまらないと思いますので、□□のように考える必要があります。」

グループディスカッションのコツと集団討論対策のお話は以上になります。