新エネルギーまとめ 5つの新エネルギーのメリット・デメリット+期待の新エネルギー3つ
新エネルギーまとめ
新エネルギーとは、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」によれば、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、中小規模水力発電などの技術的に実用化段階に達しつつある(または達している)再生可能エネルギーが該当しますが、ここでは、技術的にはまだ実用化段階に達していないものの、将来、新しいエネルギー源となることが期待されるような新しい技術やエネルギーも含めて、新エネルギーとしてまとめてみます。
新エネ法が規定する新エネルギー
「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」は、2018年現在、10種類の再生可能エネルギーを新エネルギーとしています。
このうち、新エネ法の発電分野で分類されている新エネルギーには次の5つがあります。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽光を利用してソーラーパネルによって発電する方式です。
太陽光発電のメリット・デメリット
- メリット①:発電時に温室効果ガス(二酸化炭素)を排出しない
- メリット②:太陽光エネルギーの枯渇の心配はない
- メリット③:発電時に騒音や廃棄物を排出しない
- メリット④:導入数の増加により、技術革新・規模の経済性が生じ、コストの低下が期待できる
- デメリット①:夜間は発電することができない
- デメリット②:天気・気候により発電量に差が生じる
風力発電
風力発電は、自然の風により巨大な風車を回転させて発電する仕組みです。
風力発電のメリット・デメリット
- メリット①:発電時に温室効果ガス(二酸化炭素)を排出しない
- メリット②:風力エネルギーの枯渇の心配はない
- メリット③:陸上だけでなく海上にも設置可能である
- メリット④:導入数の増加により、技術革新・規模の経済性が生じ、コストの低下が期待できる
- デメリット①:風力発電に適した場所が限られている
- デメリット②:鳥が風車に激突する危険性がある
バイオマス発電
バイオマス発電とは、木くずや生ゴミなどを燃料として燃やした熱でタービンを回して発電する仕組みです。
バイオマス発電のメリット・デメリット
- メリット①:燃料さえ供給されれば、安定的に発電できる
- メリット②:カーボン・ニュートラルであり、温暖化ガス(二酸化炭素)の排出量にカウントされない
- デメリット①:木くずの運搬や加工にコストがかかる
- デメリット②:燃料の供給のために、食料や木材資源の供給が減ってしまうおそれがある
中小規模水力発電
中小規模水力発電とは、マイクロ水力発電ともいわれ、1,000kW以下の中規模もしくは小規模な水力発電のことをいいます。
中小規模水力発電のメリット・デメリット
- メリット①:必要とする水量が少なくてすむ
- メリット②:水流がある限りは、水力エネルギーの枯渇の心配はない
- メリット③:太陽光発電や風力発電に比べ、天気の影響を受けにくい
- メリット④:温暖化ガス(二酸化炭素)の排出量が少なくてすむ
- デメリット①:水利権の利用に関する法的な手続きが煩雑である
- デメリット②:ゴミなどを取り除くためのメンテナンスのコストがかかる
地熱発電
日本の活火山の数および地熱資源量は、インドネシア、アメリカに次ぐ3位の位置にいます。
この豊富に存在する地熱資源を利用した発電が地熱発電です。
特に、新エネ法が対象としているのは、バイナリー方式による地熱発電になります。
バイナリー方式とは、沸点の低い媒体を利用することで、従来の方式よりも低温の熱源を利用することできる方式です。
地熱発電のメリット・デメリット
- メリット①:燃料の供給が必要ない
- メリット②:温暖化ガス(二酸化炭素)の排出量が少なくてすむ
- メリット③:地熱エネルギーの枯渇の心配はない
- デメリット①:温泉や景観への影響が懸念される
- デメリット②:事前の調査や作業が必要で、実際に発電されるまでに長い時間がかかることが多い
実用化が期待される新エネルギー
技術的にはまだ実用化段階にないものの、今後の発展が期待されている新エネルギーについてまとめてみます。
海洋エネルギー発電
海洋エネルギーを利用した発電には、波力発電、潮流発電、海洋温度差発電などがあります。
波力発電
波力発電とは、波の力を利用して、タービンを回すなどすることで発電する仕組みです。
潮汐発電
潮汐発電とは、潮の満ち引きを利用して、タービンを回して発電する仕組みです。
潮流発電
潮流発電は、海流発電ともいい、潮流(海流)によってタービンを回し、発電する仕組みです。
海洋温度差発電
海洋温度差発電は、温度の高い海面と温度の低い深海との温度差を利用して発電する仕組みです。
藻類バイオマスエネルギー
藻類バイオマスエネルギーは、油をつくる藻類であるボトリオコッカス、オーランチオキトリウムを利用して生み出したエネルギーを活用するものです。
また、株式会社ユーグレナは、ミドリムシを利用した藻類バイオマスエネルギーの研究を行っています。
二酸化炭素をエネルギーとして利用する研究
温暖化ガスである二酸化炭素そのものをエネルギー源として利用する研究も進んでいます。
二酸化炭素をエネルギーとして利用する研究としては、二酸化炭素と水と太陽光を利用した人工光合成や火力発電で排出される二酸化炭素そのものでタービンを回す技術、二酸化炭素を空気から取り出し合成液体燃料の原料にする研究などがあります。