株式投資

ファンダメンタルズ分析|ROE、ROA、PER、PBR、配当利回り、EPSの意味

ファンダメンタル

ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルとは、基礎的条件のことを意味します。(ファンダメンタルは英語ではfundamentalです。(fandamentalは誤り))

経済の基礎的な条件である一国の経済成長率や経常収支、企業の業績や財務状況などを分析することがファンダメンタルズ分析(ファンダメンタル分析)の意味になります。

一国全体の経済状況を分析する指標

グローバル

一国全体を対象に日本株全体の値動きや米国株の値動き、円やドル、トルコリラなどの為替(FX)の動向を分析する場合は、実質経済成長率や経常収支のほか、失業率、雇用者数、財政収支、物価上昇率などの指標が分析に使われます。

雇用統計
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企業(個別銘柄)の業績・財務状況を分析する指標

ファンダメンタルこれに対し、トヨタやニンテンドーなど特定の企業の株を分析する場合は、ROE(株主資本利益率)、ROA(総資産利益率)、配当利回り、EPS(1株あたり利益)、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標を用いて分析します。

ROE(株主資本利益率)

ROEとは、Return On Equityの略で、株主資本利益率もしくは自己資本利益率とよばれる投資の効率をみるための指標です。

ROEは、

当期純利益÷自己資本(または株主資本)×100%

として計算されます。

自己資本(≒株主資本)は株主から出資を受けた元本とそれを元手に稼いだ利益の合計からなります。

負債のようにいずれ返さなければいけない他人資本に対して、自己資本は返さなくてもいいお金というイメージです。

企業の経営に投下されているお金(資本)のうち、返さなくてもいい自己資本(≒株主資本)に対する利益の割合をみるものがROE(株主資本利益率)になります。

近年、機関投資家を中心に投資の指標としてROEを重視する投資家が増えており、投資対象である企業の側もROEを意識した経営を行うようになっています。

その結果、日本企業のROEは改善してきましたが、欧米の同業他社と比べるとまだまだ見劣りすることが多いようです。

日本企業のROEが低い理由

日本企業はバブルの崩壊やリーマンショック後の教訓として、債務を減らし、負債比率を下げてきました。

その結果、無借金経営を行う企業の割合も増えてきましたが、それは日本企業が財務レバレッジ効果を活用できていないことを意味しています。

レバレッジとはテコの原理のテコのことです。

財務レバレッジ効果とは、借金を使って経営をすることでテコの原理が働いて、業績の変動幅が大きくなることをいいます。

上手に経営をしている企業であれば、借金をして経営することで、財務レバレッジ効果を働かせて、業績を大きく伸ばすことが可能になります。

借金は他人資本であり、自己資本ではないため、ROEの分母にはカウントされません。

その結果、財務レバレッジ効果を利用して大きな利益をあげている企業であれば、ROEを高めることができます。

無借金経営をしている日本企業の場合、財務レバレッジ効果が働かないためROEが低くなってしまうことになります。

財務の安全性と収益性はあちらを立てればこちらが立たずというトレード・オフの関係にあるといえ、安全性が高ければよいというものでもないということを考える必要があります。

ROA(総資産利益率)

ROAは、Return On Assetのことで、総資産利益率とよばれます。

ビジネスに投下されている総資産に対する利益の割合をみるものがROAです。

ですから、ROAの計算式は

当期純利益÷総資産×100%

になります。

総資産は会社の財政状態と経営成績をあらわす財務諸表である貸借対照表(B/S)の左側(借方側)のタテの合計です。

これに対し、総資本は貸借対照表(B/S)の右側(貸方側)のタテの合計になります。

貸借対照表の左右の金額は同じなので、総資産と総資本の金額は同じになります。

そして、他人資本と自己資本の合計が総資本ですので、ビジネスに使っているすべてのお金(資本)に対し、どれだけの利益を得ているのかという割合をみるものがROAだということになります。

日本企業は財務レバレッジ効果を活用しておらず、欧米企業に比べ、ROEが低くなりがちですが、他人資本まで分母に含めるROAでは、負債比率が低ければそれだけ分母が小さくなることから、ROAは高く計算されることになります。

ROEが高くてもROAが低い企業は、財務レバレッジに頼った借金経営を行っているといえます。

そのため、ROEだけではなくROAも同時にみることが必要だと考えられます。

配当利回り

配当利回りは、1株あたりの配当金に占めている株価の割合です。

配当利回りは、

1株あたり配当金÷株価×100(%)

として計算されます。

配当利回りが高いほど株主に対して還元率が高いといえますが、配当金は企業から株主への資金の流出ですので、その分、再投資に回される資金が減ることになります。

そういった意味で、あまりに高すぎる配当利回りは企業の将来の成長性を損なっている可能性があります。

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EPS(1株あたり利益)

EPSとは、Earnings Per Shareの略で1株あたり利益のことです。

EPSは、

当期純利益÷発行済株式総数

により計算されます。

1株あたり利益は当然高ければ高いほど望ましいといえますが、新株発行などにより発行済株式総数が増えると、分母が大きくなることからEPSは低下することになります。

PER(株価収益率)

PER(パー)は、Price Earnings Ratioの略であり、株価収益率のことで、成長株に投資するグロース投資(成長株投資)における代表的な指標だといえます。

PERの計算式は、

株価÷1株あたり利益(EPS)(倍)

となります。

1株あたり利益であるEPSは当期純利益÷発行済株式総数なので、PERは

株価÷(当期純利益÷発行済株式総数)

=株価×発行済株式総数÷当期純利益

=時価総額÷当期純利益

となります。

PERが高いと株価は割高、PERはが低ければ株価は割安ということになります。

業種にもよりますが、一般的にPERが20倍から30倍以上だと株価は割高、PERが10倍程度なら株価は割安というように判断します。

PBR(株価純資産倍率)

PBRは、Price Bookvalue Ratioの略で、株価純資産倍率といい、バリュー投資の代表的な指標です。

PBRの計算式は、

株価÷1株あたり純資産(株主資本)(倍)

です。

PBRとPERとROEの間には

PBR=PER×ROE

という関係が成り立ちます。

PBR

=株価÷1株あたり株主資本=株価÷(株主資本÷発行済株式総数)

=株価÷株主資本×発行済株式総数

PER

=株価÷1株あたり利益(EPS)

=株価÷(当期純利益÷発行済株式総数)

=株価÷当期純利益×発行済株式総数

ROE

=当期純利益÷株主資本

なので、

PBR

=株価÷株主資本×発行済株式総数

=株価÷株主資本×発行済株式総数×当期純利益÷当期純利益

=(株価÷当期純利益×発行済株式総数)×(当期純利益÷株主資本)

=PER×ROE

となるからです。

ですから、PBRが低い原因は、低PER(利益に対して割安)または低ROE(収益性が低い)のいずれか、またはその両方にあることになります。

一般にPBRが1を下回ると割安だといわれますが、単純に低PBRの銘柄に投資することは、ROEの低い銘柄に投資している可能性もあるため、PERやROEのチェックもあわせて行う必要があるといえます。

また、PBRに注目する場合は、その銘柄の過去のPBRのレンジを把握しておくことも必要です。

PBRの過去最低水準が1よりも大きい銘柄と1倍よりも小さい銘柄では、PBRが1付近にきたときの意味合いが異なります。

過去に何度も1を割っている銘柄の場合、PBRが低いからといってそれだけで買いの判断をするのは望ましくありません。