会計学

損益分岐点分析とは|損益分岐点売上高の計算式|計算問題の解き方

損益分岐点分析とは

損益分岐点分析とは、財務諸表分析の1分野で英語の頭文字からCVP分析とも呼ばれます。(CVPは、Cost Volume Profit の頭文字になります。)

損益分岐点という言葉は、会計学以外にも経済学やでも出てきますが、利益(経済学では利潤)がゼロになる点のことです。

損益分岐点では、利益がゼロになるので、入ってからお金である売上と出て行くお金である費用が同じ金額になります。

この損益分岐点における売上高のことを損益分岐点売上高といいます。

なお、経営学の財務管理論でも損益分岐点売上高は出てきますが、経営学で出てくる損益分岐点売上高は会計学と同じものになります。

損益分岐点売上高の計算式

この損益分岐点売上高は

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

という式により計算されます。

固定費というのは、英語では Fixed Cost といいお店の家賃や工場の減価償却費など売上に関係なくかかってくる費用のことです。

お店を借りると、売上があろうがなかろうが、お店の家賃を払う必要があります。

このように生産や売上に関係なくかかってくる費用が固定費のイメージになります。

固定費はミクロ経済学でいう固定費用とほぼ同じものになります。

また、変動費率というのは、売上高に占めている変動費の割合のことで、

変動費率=変動費÷売上高

という式であらわされます。

この変動費は、英語では Variable Cost といい、材料費や外注加工費のように売上が伸びるにつれてそれに比例してかかる費用を意味します。

売上が増えれば、その製品の材料はその分、余分にかかることになります。

売上↑→生産量↑→材料費↑

このように生産や売上に連動して増える費用が変動費のイメージになります。

この変動費はミクロ経済学でいう可変費用とほぼ同じものになるります。

損益分岐点売上高の数式の求め方

どうして損益分岐点における売上高が

損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

という計算式であらわせるのかという理由について、損益分岐点売上高の数式の求め方を説明します。

ですが、ここは損益分岐点売上高の数式さえ覚えていればいいので、理由については一通り理解しておくだけでいいです。

まず、損益分岐点の定義から、損益分岐点売上高は利益がゼロとなるため、売上高ー費用であらわされる利益がゼロとなります。

利益=売上高ー費用=0

売上高ー費用=0の費用を右辺に移項すると

売上高=費用

となります。

そして、費用は変動費と固定費にわけられるため、

費用=変動費+固定費

であり、

売上高=変動費+固定費

と変形できます。

ここで、

変動費率=変動費÷売上高

より、

変動費=変動費率×売上高

となるため、

売上高=変動費+固定費

売上高=(変動費率×売上高)+固定費

となります。

この式を売上高について解くと

売上高=固定費÷(1-変動費率)

となります。

この売上高は売上高=費用となる(つまり、利益がゼロとなる)売上高であるため、損益分岐点売上高になります。

以上が、損益分岐点売上高の計算式の導出の仕方になります。

損益分岐点売上高の計算問題

たとえば、損益分岐点分析では、以下のような計算問題が問われることがあります。

例題:実際売上高100万円、変動費60万円、固定費30万円の場合、損益分岐点売上高はいくらになるか

解答:本問で変動費率は変動費60万円÷実際売上高100万円=0.6です。

ですから、損益分岐点売上高は

固定費30万円÷(1-変動費率0.6)=75万円

と計算できます。

これが損益分岐点売上高の基本的な計算問題です。

損益分岐点比率

損益分岐点比率とは、実際の売上高に占める損益分岐点売上高の割合をあらわす比率です。

つまり、損益分岐点比率は

損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷実際の売上高×100(%)

として計算されます。

損益分岐点比率の計算問題

たとえば、損益分岐点比率の計算問題として、以下のようなものが考えられます。

例題:実際の売上高が1,000、損益分岐点売上高が700の場合の損益分岐点比率はいくらか

解答:損益分岐点比率=損益分岐点売上高700÷実際の売上高1,000×100=70(%)

と計算されます。

以上で損益分岐点売上高のお話はおしまいです。