UIJターンとは?UIJターンのために自治体・企業にできる10の方法
UIJターンとは
就職や転職についての言葉として、UターンやIターンという言葉をよくききます。
また、最近ではJターンということもいわれるようになってきました。
これらのUターン、Iターン、Jターンという言葉をあわせてUIJターンといいます。
Uターンとは
Uターンとは、生まれ育った地元から大学への進学などで東京などの都会に出てから、就職や転職を機に地元へ戻ることをいいます。
たとえば、静岡市で生まれて東京の大学へ進学した後に、大学卒業後静岡市内の企業に就職するようなケースのことをUターン就職といいます。
Iターンとは
Iターンとは、都会などで生まれ育った人が進学や就職で別の地域に移動することをいいます。
たとえば、東京生まれ東京育ちの人が大学卒業後に、静岡市内の企業に就職して、静岡市に移住するようなケースをIターン就職といいます。
Jターンとは
Jターンとは、地方の郊外地域などで生まれ育った人が大学への進学などで東京などの都会に出てから、地元に近い都市に戻り就職や転職をすることをいいます。
たとえば、静岡県内の田舎で生まれた人が東京の大学へ進学した後に、大学卒業後静岡市内の企業に就職して静岡市に移住するようなケースをJターン就職といいます。
UIJターンを促進するためできること
地方の自治体や企業としては、将来の人口減少などをにらんで、UIJターンを促進していく必要があります。
自治体や企業の立場としてUIJターンを促進していくために、どのような方策が考えられるでしょうか。
自治体がUIJターン促進のためにできること
自治体がUIJターンを促進するためには、以下のような方策が考えられます。
- UIJターンを実際にした人の体験談をサイトにのせるなどして他の地域の人に知ってもらう
- SNSやサイト、情報誌などを通じ地域の魅力を発信する
- 安心して移住できるようにするため移住者の就職支援・子育て支援などに取り組む
- 地元の就職先を増やすために企業誘致や産業振興に力を入れる
- 地方の中核都市の都市としての魅力を高めるため、コンパクトシティ化を進める
以上のような方法をとることで、自治体としてUIJターンを盛り上げていきます。
企業がUIJターン促進のためにできること
企業がUIJターンを促進し、人材を獲得するための方法としては、以下のような取り組みがあります。
- UIJターンを実際にした従業員の体験談をサイトにのせるなどして就職希望者に知ってもらう
- SNSやサイト、他地域へのCM、全国的なチャネルに対するパブリシティなどを通じ、企業や商品を他地域の人にも知ってもらう
- 地元以外の東京などの都市で説明会をする
- 地元以外の東京などの都市で面接を受けられるようにする
- その企業でなければできないようなオンリーワンの商品・サービス、従業員の成長の機会などを模索する
などの方法が企業には求められます。
UIJを細分化して考える
一言でUIJといっても違いがあります。
UターンとJターンをする人はいわゆる「出戻り」の地元志向の人です。
これに対し、Iターンをする人は地元から離れた地でチャレンジしようとする人になります。
このIターン組の中でも、大学から地元を離れ、大学がある土地で就職を希望するIターンと大学までは地元で、就職ではじめて地元を離れるIターンの2種類があります。
チャレンジ精神の程度の差の問題かもしれませんが、チャレンジ精神がより必要になるのは就職からのIターンである後者だと思われます。
自治体や企業としては、単にUIJターンを増やしたいとするのではなく、どのような人材を増やしたいかという点で、ターゲットとなる人材のペルソナ(仮想の人物像)を設定した上で、対策を立てていく方が望ましいといえます。
きちんと求める人物像を把握してから取り組んだ方が、移住や入社後のミスマッチを減らせ、結果的にUIJターンを成功に導くことができると考えられます。
たとえば、地元志向の人というのは、一旦外に出てから地元愛に目覚めた人だといえます。
そのような人を求めるのであれば、地元民としての共感や地元だという安心・安全を訴えていきます。
一方で、見知らぬ土地に飛び込んでくるようなチャレンジャーを増やしたいのであれば、ほかの地域では得られないワクワクするような体験や成長の機会をアピールします。
そういった機会が少ないのであれば、企業の場合、仕事の進め方や評価方式を変えるといった取り組みも必要になります。
特に、就職からのIターン組は、いままでその土地に接点がなかった人たちですので、そういった人たちに興味を持ってもらえるようなある意味「尖った」特徴が求められます。
(まとめ)就職からのIターン組を増やせ
UターンやJターンの人材は地元からの出戻り組ですのである意味有限です。
それに対し、Iターンの人材、特に就職からのIターン組は、日本のみならず世界まで含めて考えれば、無限に近い人材が潜在的にいるといえます。
この就職からのIターン組は、さきに述べたようにチャレンジ精神が一番高いといえます。
変化の激しい世の中において、その地域・企業を引っ張っていくようなリーダー人材には、チャレンジ精神は不可欠です。
なじみがない分ミスマッチの可能性も高くなるため、ミスマッチを減らす対処は必要になりますが、UIJターンの中でも特に就職からのIターン組を増やすような取り組みが、自治体や企業には求められるのではないでしょうか。