就活・婚活・妊活・保活・終活|似てる?共通点は?どっちがつらい?
就活・婚活・妊活・保活・終活、人生は「~活」だらけ
就職活動のことを「就活(しゅうかつ)」というのは以前からいわれていましたが、それ以外にも「~活」という表現が増えてきました。
ここでは人生の局面で多くの人が直面する「~活」について考えてみます。
「就活」(+「転活」)
まず、「就活」とは最初に触れたように就職活動の略です。
日本では新規学卒者の一括採用が定例化されているため、一般に新卒時の就職活動のことを指して「就活」とよびます。
就活に類似したものに転職活動があります。
転職活動を略すと「転活(てんかつ)」となります。
「転活」は「就活」ほど一般的ではありませんが、インターネットで検索すると「転活」という表現もそれなりに使われているようです。
「婚活」
「婚活(こんかつ)」とは結婚に向けて活動することです。
最近は晩婚化が進む一方で、婚活の苦労話もインターネットなどでみられるため若いうちから婚活を始める人も多く、婚活年齢の多様化が進んでいるようです。
また、「婚活」の前段階として、恋愛活動を頑張ることを「恋活(こいかつ・れんかつ)」というらしいですが、言葉としては「婚活」の方がメジャーですね。
「妊活」
「妊活(にんかつ)」は妊娠活動の略らしいですが、妊娠活動という言葉自体が「妊活」という略語を生み出すためにつくられた造語っぽいですね。
要は、妊娠に向けて、体調を整えたり、知識を得たり、タイミングを図ったり、医者にかかったりといった活動を指して妊娠活動といい、それを略して「妊活」というようです。
「保活」
「保活(ほかつ)」とは、子どもを保育園に入れるための活動のことをいいます。
具体的には、待機児童とならないように入園しやすい勤務条件の仕事に変更したり、入園しやすい地域に引っ越したりすることが「保活」の内容になります。
「終活」
「終活(しゅうかつ)」とは、自らの死に向きあってそれに対し準備するための活動のことです。
「終活」の具体例は、遺言書やエンディングノートを書いたり、人間関係や資産を整理したりすることなどがあります。
大学受験
大学受験については、「~活」という名前はついていませんが、人生の節目となる活動である点はほかの「~活」と共通しています。
「~活」という名前がついてない理由は、「大活」や「受活」のゴロの悪さもあると思われます。
ゴロさえ良ければ、大学受験も「~活」の仲間になっていたのではないかと思われます。
これに対し、高校受験は大学受験に比べるとその後の人生が大きく変わるとはいえませんし、中学受験はしない人も多くいるので、高校受験や中学受験はたとえゴロが良くても「~活」には含まれないのかなと思われます。
大学受験・就活(転活)・婚活(恋活)・妊活・保活・終活の似ている点や共通点は?
では、これらの「~活」の似ている点や共通点は何でしょうか。
ここでは大学受験も含めて考えてみます。
多くの人が経験するイベントである
また、「~活」とされるものは、多くの人が人生の中で経験するイベントであるという特徴があります。
大学受験は大学進学率が50%を超えるため過半数の人が経験するイベントですし、「就活」ははじめからニート以外の人は経験するものです。
また、生涯未婚率が上昇していますが、それでも男性で20%台、女性で10%台とまだまだ少数ですので、結婚や恋愛へのニーズは高いといえます。
その意味で「恋活」や「婚活」も多くの人が(意識的に取り組むかはともかく)経験するイベントだといえます。
一方、「転活」、「妊活」、「保活」は全員が経験するものではありませんが、労働市場の流動化により「転活」は増えていますし、女性の社会進出や晩婚化により「妊活」も増加しています。
また、女性の社会進出を進めるために、(子育て中の女性が労働市場から抜けてしまうという)M字カーブの改善が大切だと叫ばれていることから「保活」の必要性もますます高まっています。
そして、「終活」は(遺言書などを用意するかは別として)全員が経験するイベントだといえます。
このように「~活」(+大学受験)は多くの人が経験するイベントだという点で共通しているといえます。
人生における影響が大きい
さきほどの大学受験のところで検討したように、(大学受験を含めた)「~活」はその後の人生に大きな影響を与える点で共通しているといえます。
「就活」でどの会社(組織)に入るかは、その後の人生に大きな影響を与えます。
勤めている会社によって後に控えている「婚活」にも大きな違いが出てくることになります。
また、「婚活」でどんな人と結婚するかは、人によっては今までの人生を一変させるような場合もあります。
医師や公務員が結婚相手として人気が高いのは、そういった(人生大逆転を狙うという)理由もあると思われます。
「妊活」でも、子どものいる・いないというのは(子どもを望む人にとっては)人生に大きな違いをもたらします。
「終活」だけはその後の人生というものがないため、その後の人生への影響というものはありませんが、人の一生におけるインパクトの大きさとしては「死」というのはある意味一番大きな影響があるものだともいえます。
あと大学受験もどの大学に入るかはその後の「就活」や「恋活」、「婚活」への影響(もしくは大きな影響)があるため、そういった点でほかの「~活」と共通しているといえます。
また、「恋活」や「転活」、「保活」はほかの「~活」に比べるとやや影響が小さいようなイメージもありますが、恋愛結婚なら「恋活」は「婚活」に直結しますし、「転活」もその人にとっての天職を見つけられるかどうかというのは影響は大きいです。
そして、「保活」が上手く行かず、仕事をやめたりすることになった場合、人生への影響は大きなものになります。
このように(大学受験を含めた)「~活」は、(その後の)人生に対する影響が大きいという共通点があるといえます。
これを別の言葉でいうと、人生のあるステージにおける活動の成果は次のステージの活動に影響するということです。
たとえば、(特定の大学に募集を限定する)「学歴フィルター」という言葉があるように、大学受験の成果は次の「就活」に影響します。
また、「就活」で公務員などになれば次の「婚活」(「恋活」)で有利になるなどの影響があります。
このようにこれらの「~活」は次の「~活」に影響するという特徴があります。
大学受験・就活(転活)・婚活(恋活)・妊活・保活・終活の中でどっち(どれ)がつらい?
では、これらの「~活」(+大学受験)の中でどれ(どっち)がつらいといえるでしょうか。
(人や状況にもよりますが)基本的にはこれらのイベントは人生の後半に行けば行くほど自分のコントロールが及ばなくなってきます。
大学受験は仕事とは異なり、人間関係のあたりはずれなどに影響されることはないため、(仕事よりは)努力が成果に結びつきやすいといえます。
また、大学受験は相手から選ばれるという要素は少ないですが、「就活」の場合、一緒に働いていく仲間として選ばれる必要があります。
その意味で大学受験よりも「就活」の方が結果をコントロールしにくいといえます。
また、「恋活」や「婚活」は「就活」よりももっと相手から選ばれる必要があるため、よりコントロールが及びにくくなります。
「恋活」と「婚活」を比較すると「婚活」の方が家族や親戚などもからんでくるため自分たちの力や都合だけではどうしようもないことが多くなります。
そのため「恋活」よりも「婚活」はさらにコントロールしにくくなります。
さらに「妊活」となると自分の努力だけではどうしようもない要素が増えてきます。
「保活」も住む地域や仕事によってはいかんともしがたい状況にある人もいます。
そして「終活」となるといくら規則正しい生活をしていても突然事故や病気になることもあります。
このように「~活」と名のつくものは(多少の順序の入り繰りがあるものの)後になるもの自分のコントロールが及ばなくなってきます。
そういった意味では後に控えるイベントほどつらくなるといえるかもしれません。
逆にいえば、前に来るイベントほどコントロールが及びやすくなり、またその影響が後々に響くことから、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」というのは、その意味で正しいといえそうです。