シングルタスクの仕事のやり方|効率的な仕事術とは?
シングルタスクの仕事のやり方(仕事術)とは
シングルタスクとは、タスク(作業)を1つ1つ順番にこなしていくことです。
これに対し、マルチタスクとは、複数のタスク(作業)を同時並行でこなすことをいいます。
近年、インターネットなどの情報化が進むことで、人間が接する情報量は膨大になってきています。
この膨大な情報の海に溺れずに泳いでいくためには、マルチタスク的な仕事のやり方(進め方)よりもシングルタスク的な仕事のやり方(進め方)のほうが効率的だとして、シングルタスクの仕事術に注目が集まっています。
シングルタスクの仕事のやり方のコツ:タスクを細分化する
シングルタスクで仕事を進めていく上での1番のポイントは、なるべく仕事(タスク)を細分化するという点にあります。
ここではほぼ全員が経験済みのものとして受験勉強で考えてみます。
仮に受験勉強全体をタスクとした場合、それ以外の時間がオフの時間となります。
すると、(仕事にあたる)勉強時間はすべて1つのタスク(受験勉強)を実施していることになり、シングルタスクが実現しているともいえます。
ですが、これでは効率の良い勉強(仕事)の進め方ができているかわかりません。
効率の良し悪しを考えるためには、タスクを細分化して考える必要があります。
では、今度は国語、数学、英語などの科目ごとをタスクとして考えてみます。
この場合のシングルタスクとは、「今日は国語、明日は英語」など1日に1科目ずつ勉強していくことを意味するようにも思えます。
しかし、1日ずっと同じ科目ばかり勉強することが効率的かというと、そうともいえません。
効率的なシングルタスクとは、1つのタスクをずっと続けることを意味するものではありません。
1つ1つタスクを完了し、処理していくことがシングルタスクの意味になります。
とすると、1回のタスクごとに完了可能な単位までタスクを細分化する必要があります。
ですから、勉強でいえば、「漢字10個書き取り」、「英単語を5個覚える」、「明日の英語の授業の予習」など完了可能な量を1つのタスクとすべきです。
ただ、タスクはできるだけ細分化したほうが望ましいです。
たとえば、「英単語を5個覚える」というタスクの場合、「日本語の意味を確認する」「書き取りをする」「(音声教材の)シャドーイングをする」「発音する」「テストしてみる」などさらにタスクを細分化することができます。
こうすることで1つ1つの作業量が小さくなり、より気軽にタスクに取り組むことができます。
では、これを勉強ではなくて、実際の仕事で考えてみます。
たとえば「メールの確認」という作業で考えた場合、「(件名から)メールの優先順位を判断する」「(優先順位に従い)メールを読む」「メール返信の要否について判断する」「返信文を書く」「見直し、返信する」という形にタスクを細分化することができます。
タスクを細分化するメリット
このようにタスクを細分化するメリットは、さきに挙げたものを含めて以下のものがあります。
- 1つ1つの作業量が小さくなり、より気軽にタスクに取り組むことができる
- 1つ1つタスクをこなしていくことで、タスクの完了による達成感を得やすいため、モチベーションの向上につながる
- タスクを細分化する課程で全体のプロセスを把握するため、計画建てて作業を進めることができる
- こなさなくてはいけない作業(タスク)が明確となり、作業効率が向上する
シングルタスクの仕事のやり方のコツ:タスクに優先順位をつける
シングルタスク的な仕事のやり方で特に避けなければならないのは、優先順位を付けずに目の前の仕事に愚直に取り組むことです。
忙しい現代人には、与えられた(もしくはやらなければいけない)すべての仕事をこなすことは不可能に近いといえます。
そのため、実際に仕事に取り掛かる前に、先のタスクの細分化に加え、それらのタスクに優先順位をつけることが必要です。
特に、もともとマルチタスク的な処理よりもシングルタスク的な処理の方を好む「シングルタスク派」の人の中には、この優先順位をつけることが苦手な人が多いようです。
そのため、与えられた仕事を与えられた順番に愚直にこなしてしまい、どこかで行き詰まるか、ストレスを感じてしまうという結果になりやすいです。
そこで、実際のタスクに取り組む前に、各タスクに優先順位をつけること自体を2番目に取り組むタスクとすべきです。(なお、1番目に取り組むタスクは、タスクの細分化です。)
さきほど例にあげた勉強やメールの確認作業の場合、具体的な内容は毎回異なるとしても、やるべきタスクとしては決まったことが多いです。
このようなタスクはなるべく定型化(ルーチン化)して、毎回細分化や順位付けをしなくて済むようにすることが、シングルタスク派の人のストレスを減らしますし、細分化作業や順位付け作業がなくなる分、さらなる効率化を図ることができます。
そのため、月に1回程度はルーチン化できるタスクがないか判断するために、定型的なタスクと非定型的なタスクの仕分け作業を1つのタスクとして実施する時間をつくるようにします。
マルチタスクの仕事のやり方も必要
このように作業を細分化し、優先順位をつけ、シングルタスクとして処理していくことで効率的に仕事を進めていくことが可能です。
では、すべての作業をシングルタスクとして処理するのがいいのかというと、そうでもありません。
マルチタスクとして実施した方がいい作業もあります。
それは勉強などのインプット作業です。
仕事をする社会人にも教養や英語、資格、スキルの勉強としてのインプット作業は必要です。
もちろん勉強だけの効率でいえば、シングルタスクとマルチタスクのどちらが優れているかといえば、シングルタスクの方が優れています。
ですが、勉強はタスクとしての時間だけでなく、オフの時間にもすることが可能です。
たとえば、電車通勤の合間に英語の音声教材を聴いたり、ビジネス書などをオーディオブックの形でインプットの時間をとることができます。
そういった細切れの時間を活用するには、シングルタスク的なやり方(進め方)よりもマルチタスクとして「ながら作業」を行った方がいいといえます。
もちろん、すべての勉強をマルチタスクとして行ったのでは、勉強の効率が落ちてしまいます。
きちんと机に向かうシングルタスクの時間を取りながら、マルチタスクとして細切れやオフの時間も活用することで、より高い成果をあげることが可能です。
社会人は仕事という形でのアウトプットに偏重しがちですが、マルチタスクによる「ながら作業」を併用することでインプットを効率的に行っていくことできます。