お盆と株価の傾向|お盆の株式市場は下がる?株取引は控えるべき?|お盆明けの株価は
お盆の株取引と株価の傾向は
お盆とは、夏に行われる日本の宗教的な行事のことです。
お盆の行事は8月15日の前後に行われることが多いですが、
新盆として7月15日の前後に行われる地方もあります。
なお、8月のお盆のことを旧盆ということもあります。
日本の企業では、8月15日前後の旧盆にあわせてお盆休みをとる企業が多いです。
各企業が一斉にお盆休みをとり、国民がお盆の行事などのために里帰りをすることで、帰省ラッシュなども生じます。
一方で、株式市場にお盆休みはありませんので、営業日である限りは普通に取引が行われます。実体経済がお休みの状態で、株式市場だけが開いているという状態で株価は上昇、下落どちらの方向に振る舞うのでしょうか。
お盆と株価の傾向について確認してみます。
8月の株価の傾向は
まず、8月全体の株価の傾向について分析します。
対象は日本の代表的な株価指数である日経平均(日経225株価指数)に連動する日経平均先物の値動きです。
分析期間は1999年から2018年までの20年間です。
日経平均先物を8月に買った場合のトレードの売買成績(勝率・利益)は以下のようになりました。
総損益 | -19% |
総取引数 | 20 |
平均損益 | -1.0% |
勝率 | 40% |
プロフィットファクター | 0.6 |
最大ドローダウン | -30% |
総損益がマイナスということは、8月の日経平均先物の値動きは値下がり傾向にあることを意味しています。
8月の各週の株価の傾向は
では、8月の株価の値動きを更に週毎でみてみます。
8月の第1週から第5週までの株価の値動きを週毎に確認します。
ここでも日経平均先物を対象に過去20年にわたる変動を確認します。
日経平均先物を各週のはじめに買って、翌週の週明けに売った場合のトレードの売買成績(勝率・利益)は以下のようになりました。
8月 | 第1週 | 第2週 | 第3週 | 第4週 | 第5週 |
総損益 | -16% | -4% | -3% | 17% | -12% |
総取引数 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 |
平均損益 | -0.8% | -0.2% | -0.2% | 0.8% | -0.6% |
勝率 | 40% | 45% | 55% | 70% | 45% |
プロフィットファクター | 0.4 | 0.9 | 0.9 | 3.7 | 0.4 |
最大ドローダウン | -24% | -14% | -16% | -4% | -16% |
8月は全体が値下がり傾向にあるため、週毎にみても値下がりの週が多くなっています。
ですが、そのうち第4週は70%の確率で値上がりの傾向にあります。
ちょうどお盆休みにあたるのは(1週間休みがとれる企業であれば)8月第2週か第3週になります。
その時期は株取引を控える投資家が多いせいか、株価の変動も(マイナスではありますが)小さくなっています。
お盆休みの株価の値動き
では、もう少し厳密にお盆休みにあたる8月15日を含んだ一週間の株価の値動きを確認してみます。
8月15日を含んだ一週間のはじめに買って翌週の週明けに売った場合のトレードの売買成績は以下のようになりました。
総損益 | -3% |
総取引数 | 20 |
平均損益 | -0.2% |
勝率 | 50% |
プロフィットファクター | 0.9 |
最大ドローダウン | -18% |
やはり実体経済がお休みモードになるお盆休み中は、株取引を手控える投資家が多く、株価が方向感を失う結果、総損益の変動幅が小さくなるのではないかと思われます。
実際にお盆休みに入るのは、8月15日を含む週の前週の週末からです。
そこで、前週の週末から8月15日を含む週の翌週の週明けの寄付までの値動きも確認しておきます。
日経平均先物を8月15日を含む週の前週の週末に買って、8月15日を含む週が終わった翌週の寄付に売った場合のトレードの売買成績は以下のようになりました。
総損益 | -7% |
総取引数 | 20 |
平均損益 | -0.3% |
勝率 | 50% |
プロフィットファクター | 0.7 |
最大ドローダウン | -18% |
総損益のマイナス幅が大きくなっている点以外はほぼ変わらない結果となりました。
お盆明けの株価は上がる?下がる?
では、お盆明けの株価はどうなるでしょうか。
8月15日を含む週の翌週のお盆明けの寄付で買い、お盆明けの週が終わった次の寄付で売った場合のトレードの売買成績で確認します。
総損益 | 15% |
総取引数 | 20 |
平均損益 | 0.7% |
勝率 | 60% |
プロフィットファクター | 2.4 |
最大ドローダウン | -8% |
総損益はプラスであり、勝率も高めです。
ただ、上でみた第4週の成績と比べると、最大ドローダウンなどでやや劣る結果となっています。
最大ドローダウンが大きくなっているのは、2015年の8月に生じたチャイナショックの影響です。
チャイナショックがちょうど2015年8月のお盆明けの週に生じたため、その影響を受けてその年の損失が大きくなっていることが原因です。
(まとめ)お盆休みの株取引
買いからエントリーする場合、お盆休み期間中は株価は下がる傾向にあり、株取引を控えることが良いようです。
一方で、お盆明けの株価は上がる傾向にあるといえますが、トレード戦略として考えた場合は、お盆明けではなく、8月の第4週にトレードした方が買いの時期としては望ましいといえそうです。
お盆前後の株取引の考察は以上になります。