文系理系どっちが得か?自分の子どもにすすめるならどっち?
理系文系どっちが得?
最近は大学の学部の中で、たとえば「情報文化学部」など文系なのか、理系なのかはっきりしない学部も増えてきました。
このように文系理系の違いは従来よりも薄まってきましたが、進学の際にはどちらに行ったほうがよいのでしょうか。
文系理系どっちが得かを考えてみます。
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理数教育(サイエンス教育)熱の高まり
最近は、SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)の指定など理数教育(サイエンス教育)の重要性がますます高まっています。
SSHというのは、文部科学省が指定する科学技術系人材の育成のために、独自のカリキュラムを整備したり、大学や研究機関との連携を実施している高校のことです。
実際に指定されている高校のリストをみると、旧制中学だった高校などが指定されているようです。
また、最近はプログラミング教育についても、小学生のうちからスクラッチ(Scratch)やプログラミンなどのソフトウェアを利用する形で始まっており、その意味でもサイエンス教育の高まりを感じます。
そういった意味では、理系に軍配が上がりそうです。
将来人材不足になる業種
滋賀大学がデータサイエンス学部を新設するなど、ビッグデータの分析などを手がけるデータサイエンティストの需要がますます高まっています。
現在でもデータサイエンティストは世界全体で不足しているといわれています。
アメリカでは、高度なデータの分析スキルを持つ人材が毎年10万人必要とされるものの必要な人材は不足するといわれています。
このようなデータサイエンティストなどのDX人材の不足は日本でも生じていますし、今後も続くことが予想されます。
データサイエンティストは統計学などを駆使する理系的仕事ですので、この点でも理系の方がよさそうです。
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文系と理系の平均給料を比較
では、給料の面から文系理系を比べてみます。
ここでは令和4年の民間企業に対する人事院の調査の結果をもとに比較してみます。
文系の平均給料
文系の平均給料は、新卒の大卒の事務員だと初任給の平均で20万8,000円程度です。
その後、出世して事務職の課長職になると、60万0,000円程度と大きく上昇します。
理系の平均給料
一方、理系の平均給料は、新卒の大卒の技術者だと初任給の平均が21万1,000円程度です。
ただし、理系は大学院に進む場合が多いので、大学院修士を修了した技術職では、初任給の平均は22万4,000円程度になります。(大学院は平成29年のデータです)
ですから、初任給で見ると、学部卒の学士レベルでみても理系の方が高いことがわかります。
また、理系の技術者が出世して技術職の課長職になったとすると、平均給料は59万9,000円程度に上昇します。
そうすると、全員がなれるものではありませんが、課長職になる時点で比べると、文系の方が理系よりも給料が高くなり、逆転することがわかります。
といっても、違いはほとんどありませんので、お給料の面では、文系と理系で違いはあまりないといえそうです。
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理系と一括りにはできない
ここまでみてきた限りでは、理系がいいように思えますが、理系と一口にいっても、学部・学科はさまざまです。
実際に見聞きした例では、たとえば理学部数学科のような学部・学科の場合、旧帝大以上の大学だと多くの人が数学者となるべく研究者を志しはするものの、ポスト不足や本人の能力不足を理由に半ば肩たたきのような形で、キャリアをあきらめなければいけないということもあるようです。
また、たとえば農学部の林産学科などでは、大学で勉強したことを活かすためには、就職先が公務員になるか住友林業に行くかくらいしかないといわれたりするように、学部や学科の選択によっては、将来のキャリア設計の自由度が低くなってしまうこともあるようです。
そのため、大学の進学時には、単に偏差値や興味本位で選ぶのではなく、大学卒業後のキャリアプランまで考えて、学部や学科を選びたいものです。
とりあえずは理系に進もう
高校生や高校生の子どもを持つ親として、文系と理系どちらがいいか迷うような場合、とりあえずは理系にしておきましょう。(または理系にするようにアドバイスをしておきましょう)
理由は、仮に進路が合わなかった場合、理系から文系へは文転はしやすいですが、文系から理系へは理転というのはなかなかしにくいからです。
また、仮に理系の大学に進んだとしても、就職の段階で文系の民間の職種についたり、公務員の行政職につくことはまったく問題なくできますが、文系からエンジニアになることはなかなかできません。
理系大学出身の弁護士や公認会計士は少ないながらそれなりにいますが、文系大学出身の医者は(医学部に入り直さない限り)存在しません。
その意味でも、迷っている間は理系にしておいた方が無難だといえます。
子どもには「子供の科学」を読ませよう
では、たとえば小学生などの子どもを(とりあえずでも)理系に誘導するには、どうしたらいいでしょう。
理系に興味を持ってもらうための手段として、「[wpap service="amazon" type="text" id="B07FJ9ZNNP" title="子供の科学"]」という雑誌をおすすめします。
「[wpap service="amazon" type="text" id="B07FJ9ZNNP" title="子供の科学"]」は、関東大震災の翌年の1924年に創刊したというとても古い歴史がある雑誌です。
戦時下では、兵器などの特集に偏っていたようですが、最近では、ノーベル賞を受賞した研究の解説やプログラミング、3Dプリンターなども記事として取り上げており、大人が読んでいても楽しく読めますし、知らなかった知識も多く勉強にもなる内容です。
文章については、もちろん子どもが読めるようになるべく簡単に書かれているので、最初の入門的な内容として申し分ありません。
子どもたちの理科や数学への素養や親しみを高めるためにも、まずは「[wpap service="amazon" type="text" id="B07FJ9ZNNP" title="子供の科学"]」を親子で読んでみることをおすすめします。
文系理系どちらに進むのが良いかというお話は以上になります。