システムトレードとは|シストレのメリット・デメリット|シストレに向く人は?
システムトレードとは
システムトレード(シストレ)とは、過去データを分析・検証し、過去の値動きになんらかの法則をみいだし、その法則に従って機械的に売買することをいいます。
過去のデータから検証された売買のルールのことをシステムといいます。
このシステムに従って取引をすることをシステムトレードといい、システムトレードを行うトレーダーをシステムトレーダーといいます。
このシステムトレードの反対が裁量トレードです。
裁量トレードとは、そのときの相場観や直感に従ってトレードをすることをいいます。
システムトレードではなるべく裁量を減らし、機会的に売買することを心がけます。
システムトレードのメリット・デメリット
このようなシステムトレードのメリットとデメリットはなんでしょうか。
システムトレードのメリット
システムトレードではまず、過去のデータの分析を行います。
そして、売買のルールを仮説として立てたあと、その仮説が正しいかを検証していきます。
このような検証作業を経ているため、その取引に一定のエビデンス(証拠)があることがメリットだといえます。
また、このような検証作業を行っているため、トレードに際し、落ち着いた気持ちでトレードできる点もメリットです。
裁量だけにもどづいてトレードを行った場合、当初の目論見とは逆の結果になった場合、トレーダーは大きな恐怖にみまわれることになります。
ですが、システムトレードならシステムに従って機械的に売買すればよく、たとえその取引で負けたとしても、それほど心理的ダメージを受けずにすみます。
システムトレードのメリットまとめ
- 検証によるエビデンスに基づいた取引ができる
- システムに従うため心理的負担が少ない
システムトレードのデメリット
一方、システムトレードのデメリットについてですが、さまざまなメリットをもたらす検証作業ですが、検証の対象はあくまで過去のデータに限られます。
そのため、将来の値動きが過去のデータから外れた場合、想定外の損失を被る危険性があります。
過去データの値動きに最適化してしまうことをカーブフィッティングといいますが、カーブフィッティングをしすぎるあまり、過去のデータの値動きに過度に最適化してしまうことを最適化のわなにはまるといいます。
この最適化のわなにはまるおそれがある点がシステムトレードのデメリットです。
また、永遠に有効なルールやシステムは存在しません。そのため、過去に有効だったルールやシステムであっても、どこかの段階で機能しなくなる可能性があります。
そのような場合に、システムトレードを停止する判断をくだすのは結局は裁量になります。
そのため、システムの運用すべての部分で裁量を排除することはできません。
結局は、裁量に頼らなければならない場面がありうる点もシステムトレードのデメリットといえます。
システムトレードのデメリットまとめ
- 最適化のわなにおちいる危険性がある
- 裁量を排除しきれない
システムトレードに向いている人
では、システムトレードにはどのような人が向いているでしょうか。
まず、自分の相場観に自身のない人にはシステムトレードは大きな助けになります。
自分の相場観に自身があるのであれば、裁量によりトレードすればよいだけです。
自分の相場観に自身が持てない以上、なんらかの代替案が必要になります。
そのような人にとって、過去の検証によって自信を持って取引することができるシステムトレードはピッタリな手法だといえます。
また、システムトレードで必須の検証はとても地道な作業になります。
自分で仮説を立て、それを検証していくわけですが、大抵はうまくいかないことがほとんどです。
それでもめげずに継続していける根気がシステムトレードには必要です。
最近は他人の開発したシステムを利用するようなサービスやソフトウェアもありますが、その場合は自分で開発したのと同じくらいそのシステムを信頼する必要があります。
そのためには、システムの中身のロジックに対する深い理解が求められます。
システムへの信頼に欠ける場合は、負けても大丈夫なほど小さく賭けるしかありません。
したがって、システムに対する理解力か、負けてもいいという割り切りがシステムトレーダーには必要になります。
また、検証作業は専用ソフトか、汎用のプログラミング言語、表計算ソフトなどで実施します。
自分でシステムを構築する場合は、これらのソフトウェアやプログラミング言語に対する深い理解も必要です。
システムトレードに向いている人まとめ
- 相場観に自信がない人
- 検証作業が(技術的・心理的に)得意な人
- システムへの理解か割り切りができる人