ボリンジャーバンドとは|計算法、期間の設定|スクイーズとエクスパンション

FX・為替相場

ボリンジャーバンドとは・ボリンジャーバンドの見方

ボリンジャーバンドとは統計学を利用したテクニカル指標の1つであり、ジョン・A・ボリンジャーの考案したものです。ボリンジャーバンドは、統計学の用語である標準偏差を使うことから標準偏差バンドと呼ばれることもあります。

FXにおけるボリンジャーバンドの例

このチャートはFX(USD/JPY)のボリンジャーバンドの例になります。

ボリンジャーバンドの見方

ボリンジャーバンドは大学受験などで日本人にもなじみの深い偏差値の考え方をトレードに応用したものです。

偏差値の真ん中は50ですが、この真ん中のラインを20日移動平均線の位置だとします。そして、それよりも偏差値の高い偏差値60、70、80にラインを引き、真ん中よりも偏差値の低い偏差値40、30、20にもラインを引きます。

そのようにして描かれるのがボリンジャーバンドです。

大学受験でいえば偏差値の高さは成績の良さをあらわしますが、ボリンジャーバンドでは、それぞれの偏差値はFXや株価の相対的な位置をあらわしています。

なので、FXや株価が偏差値70のラインを超えれば、移動平均の値に比べて相対的に高いことを意味します。

ボリンジャーバンドでは、この偏差値を示すそれぞれのラインを標準偏差であらわします。

標準偏差とは、データのぶれを示す統計学の用語であり、標準偏差が大きいとデータのぶれの度合い(値の散らばり具合)が大きくなります。

ボリンジャーバンドではこの標準偏差のことをσ(シグマ)という記号であらわします。

そして、1標準偏差(1σ)を偏差値でいうとプラスマイナス10の幅が1σになります。

なので、偏差値70というのは真ん中の50から20偏差値が大きいので2標準偏差分、+2σと考えます。

したがって、偏差値とσの関係は以下のようになります。

  • 偏差値80=+3σ
  • 偏差値70=+2σ
  • 偏差値60=+1σ
  • 偏差値50=20日移動平均線
  • 偏差値40=-1σ
  • 偏差値30=-2σ
  • 偏差値20=-3σ

なお、ボリンジャー自身は、真ん中の移動平均線を中央バンド、+2σのラインを上部バンド、ー2σのラインを下部バンドと呼んでいます。

ボリンジャーバンドではもとのデータが釣鐘状の正規分布に基づいていると仮定して、

  • +1σから-1σの中にもとのデータの約68.3%が存在し、
  • +2σから-2σの中にもとのデータの約95.5% が存在し、
  • +3σから-3σの中にもとのデータの約99.7%が存在する

ようにバンドは引かれます。

ボリンジャーバンドの計算式

まず、中央バンドの20日移動平均線は、為替レートや株価の終値の20日間単純移動平均(SMA)により計算されます。(要するに、20日間の終値を全部合計して20で割るだけです)

この20日移動平均線に1から3倍した標準偏差を足し引きしたものがそれぞれのバンドのラインになります。

  • +3σ:20日移動平均線+3×標準偏差
  • +2σ:20日移動平均線+2×標準偏差
  • +1σ:20日移動平均線+1×標準偏差
  • -1σ:20日移動平均線-1×標準偏差
  • -2σ:20日移動平均線-2×標準偏差
  • -3σ:20日移動平均線-3×標準偏差

標準偏差は移動平均と同じ20日間のFXや株価の終値から計算します。標準偏差は、統計学の用語である「分散」の平方根です。分散の計算も平方根(ルート)の計算も手計算では難しいので、自分で計算する場合は表計算ソフトのExcelのSTDEVP関数などを使います。

ボリンジャーバンドのスクイーズとエクスパンション

ボリンジャーバンドで使われる標準偏差はデータのばらつきを意味するので、もととなったデータである20日の終値の分散に応じて標準偏差も大きくなったり、小さくなったりします。

そのため、ボリンジャーバンドのバンドの幅は相場の状況に応じて縮んだり、広がったりします。

このボリンジャーバンドのバンド幅が縮むことをスクイーズ(縮小の意味)といい、バンド幅が広がることをエクスパンション(拡大の意味)といいます。

ボリンジャーバンドのスクイーズとエクスパンション

上のチャートはUSD/JPYのボリンジャーバンドのチャートです。バンド幅が小さくなるスクイーズのあとにバンド幅が拡大するエクスパンションが起きているのが確認できます。

ボリンジャーバンドの使い方は順張りが良いといわれますが、ダマシを避けるためにはスクイーズを確認してからエントリーするのが望ましいといえます。

FXのボリンジャーバンドの期間の設定は

ボリンジャーが提唱するボリンジャーバンドの期間は日足の20日移動平均線で設定するとしていますが、期間が変わってもボリンジャーバンドの見方は同じなので、日足の期間は40日でも60日でも120日でも構いません。

また、足についても週足でもいいし、長期的な値動きを分析する場合は月足でも使うことができます。

一方、FXでスキャルピングなどを行う場合は5分足15分足などの分足データでボリンジャーバンドを使うことも可能です。

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